研究課題/領域番号 |
07278203
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
近藤 尚武 東北大学, 医学部, 教授 (20004723)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | ジアシルグリセロールキナーゼ / 分子多様性 / ラット / 脳 / ショウジョウバエ / 核内情報伝達 / ankyrin-like kepeat |
研究概要 |
神経可塑性の高い小脳でのイノシトールリン脂質代謝機構を明らかにすべく、ジアシルグリセロール(DG)キナーゼの分子多様性を遺伝子クローニングにより追究した。既に我々が世界に先駆けて同定したDGキナーゼtypeIとtypeIIに加えて、新たにtypeIIIとtypeIVのラットでの一次構造を明らかにした。このtypeIII DGキナーゼは分子量88kDaで、EF-hand構造に合致したCa依存性酵素活性を示した。このcDNAを発現させたCOS細胞の細胞分画では、膜分画と可溶性画分の双方にほぼ等しく検出されたので、活発な二者間のtranslocationがあると考えられた。界面活性剤処理後にもこの分子は不溶性画分に残存することから、細胞骨格との密接な関連が示唆された。全身の主な臓器での発現をnorthern blotで調べると、この分子の発現は脳に特異的であることが判明し、脳内では小脳Purkinje細胞に最も強く、次いで顆粒細胞に発現が認められた。一方、typeIV DGキナーゼは分子量104kDaであるが、他の三分子と異なり、EF-handを持たずにCa依存性は無い。その上、C末側にankyrin-like repeatを持っている。この一次構造は、既報のショウジョウバエの網膜変性ミュータント原因遺伝子の一つのrdgAであるDGキナーゼ分子と相同である。ただし、それとも異なり、typeIVにはunclear targeting motifが含まれており、COS細胞に強制発現をすると、細胞核に局在する。したがって、核内情報伝達に関与する分子であると考えられる。northern blotでは胸線に最も強い発現が認められ、次いで脳、そして眼、そのほかに小腸にも弱いながらその発現が検出される。脳では小脳と嗅球の灰白質に強く、大脳皮質にもかなりの発現が認められる。小脳皮質ではPurkinjie細胞で最も強い。網膜では双極細胞に発現があり、視細胞には有為の発現は認められない。
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