研究課題/領域番号 |
07278213
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
梅森 久視 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20242117)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | チロシンキナーゼ / チロシンリン酸化 / グルタミン酸受容体 / シグナル伝達 / 神経可塑性 / 分子生物学 |
研究概要 |
チロシンキナーゼは、細胞の増殖や分化の制御に重要であることが示されてきており、神経組織においても高い活性を持つ。近年、シナプス伝達の長期増強(Long term potentiation:LTP)におけるチロシンキナーゼの役割が示唆されている。そこでシナプス可塑性に係わるチロシンキナーゼ分子の同定と機能解析を行い、シナプス可塑性の情報伝達の仕組みを分子レベルで解明していきたいと考え、まずグルタミン酸受容体を介するシグナル伝達とチロシンキナーゼの関わりについて検討した。その結果、 1、代謝型グルタミン酸受容体、mGluRlαを介するIP_3-Ca^<2+>シグナル伝達経路に、チロシンキナーゼ及びチロシンフォスファターゼ活性が必要であること。 2、NMDA受容体刺激で、チロシンキナーゼが活性化され、また、非受容体型チロシンキナーゼでNMDA受容体サブユニット2Aと2Bが、チロシンリン酸化されること。 3、AMPA受容体刺激で、AMPA受容体サブユニットBおよびCに会合しているLynチロシンキナーゼが活性化され、AMPA受容体サブユニットBおよびCをチロシンリン酸化すること。を見いだした。 このように、チロシンキナーゼは、グルタミン酸受容体を介するシグナル伝達に重要であることが示唆された。 現在、さらに、グルタミン酸受容体を介するシグナル伝達経路にかかわるチロシンキナーゼの同定、チロシンリン酸化の意義の解析を分子細胞生物学、生化学、電気生理学的手法をまじえて行っており、神経可塑性の情報伝達機構の解析を進めたい。
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