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脊髄後角細胞の可塑性変化発現機構に関する研究;NMDAレセプター機構からのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 07278214
研究種目

重点領域研究

配分区分補助金
研究機関新潟大学

研究代表者

馬場 洋  新潟大学, 医学部, 助手 (00262436)

研究分担者 山倉 智宏  新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (80272847)
吉村 恵  久留米大学, 医学部, 助教授 (10140641)
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード脊髄スライス / 脊髄後角第5層 / C線維刺激 / Central sensitization / Windup / NMDAレセプター / εサブユニット欠損マウス
研究概要

本年度は脊髄後角細胞の過敏化、いわゆるCentral Sensitizationに対するNMDA受容体の役割を明らかにするため、成熟マウス脊髄横断スライス標本を用いて脊髄後角第4,5層細胞から細胞内記録を行ない、後根刺激で誘発されるシナプス電位を正常マウスとNMDAレセプターε1サブユニット欠損マウスで比較した。正常マウスではAδfiber以下の刺激強度でfast EPSPのみが観察されたが、C-fiberの刺激強度ではfast EPSPに続いてslow EPSPが観察さた。さらにその上に、おそらくpolysynaptic EPSPと思われる膜電位の小さなfluctuationが著明に増加した。今の所、まだこのslow EPSPと小さい膜電位のfluctuationのメカニズムは不明である。一方、イプシロン1欠損マウスでは、Aδ-fiber以下の刺激強度では正常マウスとほぼ同様の反応が観察され、さらにC-fiberの刺激強度でもfast EPSPに続いてfluctuationが著明に増加した。しかし、正常マウスで見られたようなslow EPSPは観察されなかった。
次にwind upに関して正常マウスとε1サブユニット欠損マウスで比較した。正常マウスではAδfiber以下の刺激強度でrepetitiveに刺激しても刺激ごとのスパイクの数は変化しないが、Cfiberも刺激される刺激強度で1Hzで、repetitiveに刺激すると膜電位が徐々に脱分極していきスパイクの数が増加し、刺激中止後もしばらくの間スパイクが続いた。このようないわゆるwind up現象を正常マウスでは観察することができた。それに対して、イプシロン1欠損マウスではC-fiberの刺激強度でrepetitiveに刺激しても脱分極は観察されずスパイクの数も増えてこなかった。つまり、イプシロン1欠損マウスではwind upは観察されなかった。以上のデータからwind upのメカニズムを考察すると、Cfiberの反復刺激によりslowEPSPのsummationがおこり、そこにおそらくpolysynaptic EPSPと思われる小さな膜電位のfluctuationが重なってスパイクが増えてくるものと考えられる。また、イプシロン1欠損マウスではslow EPSPが見られなかったことから、膜電位の持続的脱分極の発生にNMDAレセプターが関与していることが示唆された。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 馬場洋ら: "成熟マウス脊髄スライス標本からの電気生理学的測定" 麻酔.

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書
  • [文献書誌] 馬場洋ら: "成熟マウス脊髄スライス標本からのwind up現象の記録;NMDAεサブユニット欠損マウスと正常マウスの比較" 脊髄電気診断学. 18(in press). (1996)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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