研究課題/領域番号 |
07278231
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
椛 秀人 鹿児島大学, 農学部, 教授 (50136371)
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研究分担者 |
川崎 安亮 鹿児島大学, 農学部, 講師 (50211181)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | フェロモン / 記憶 / カルモデュリン / プロテインキナーゼ / 副嗅球 / 妊娠阻止 / マウス |
研究概要 |
交尾して間もない雌マウスが交尾相手の雄から引き離され、他系統の雄の尿中フェロモンに暴露されると、妊娠阻止が起こる。勿論、この妊娠阻止は交尾相手のフェロモンでは起こらない。実のところ、これは、雌マウスが交尾刺激を引き金として交尾相手のフェロモンを記憶し、この記憶によってこのフェロモンの妊娠阻止作用を食い止めているからである。フェロモンの妊娠阻止作用は副嗅覚系によって司られている。この妊娠阻止作用を食い止める記憶は、交尾直後から数時間の臨界期に、副嗅覚系の最初の中継核である副嗅球において形成される。われわれが目指すゴールは記憶成立の分子カスケード機構であるが、現在のところ、この記憶を担う分子、いわゆる記憶分子をひとつひとつ拾い上げている段階にある。最近、種々の記憶の成立過程にカルモデュリン系の関与が示唆されている。この研究では、フェロモンの記憶形成にカルモデュリン系が関与しているか否かを明らかにする目的で、カルモデュリン、カルシウム/カルモデュリン依存性プロテインキナーゼII(CaMKII)、カルシウム/カルモデュリン依存性プロテインフォスファターゼ2B(カルシニューリン)の阻害剤を記憶形成の臨界期に3回ないし4回、両側副嗅球に注入することによって記憶障害がもたらされるか否かを検討した。 カルモデュリンの阻害剤であるカリミダゾリウムの注入により記憶障害が起こったが、CaMKIIの選択的阻害剤であるKN-62やカルシニューリンの選択的阻害剤であるFK506の注入では記憶障害は起こらなかった。FK506はむしろ記憶形成を促進する方向に働いた。
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