研究概要 |
既に、バキュロウイルスベクター発現系を得ているグルタミン酸受容体チャネル各サブユニット(AMPA型α1,α2,α4;カイニン酸型β2;NMDA型ζ1,ε1,ε2,ε4;機能未知δ2)を用いてそれらの分子機能解析を目指して種々、検討しつつある。1.グルタミン酸受容体サブユニットはリン酸化を受ける可能性があり、各サブユニット・バキュロウイルスクローンを単独に、またはプロテインキナーゼC・α、δ、ε、ζ各サブユニット、カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼII、IV各バキュロウイルスクローンとの共感染・共発現を行い、[^<32>P]リン酸存在下の代謝標識実験を行い、少なくともε1、ε2単独で強いリン酸の取り込みが見られ、更に解析を進めている。2.現在、発現培養細胞の膜画分より本受容体タンパク質の可溶化に成功しており、更にその精製を進めている。3.機能未知のδ2サブユニットについて本発現系を用いて解析を進めているが、ウェスタン解析で3本のバンドが見られ、N-グリコシル化型及び非N-グリコシル化型の2分子種が存在するのは他のサブユニットと同様であるが、更に、他のタンパク質修飾の起きている可能性があり、これを検討している。4.エイズウイルス感染による神経細胞死とグルタミン酸受容体との関連の可能性も考えられており、グルタミン酸受容体発現昆虫細胞がそのモデル細胞となり得る可能性もあり、gp120等HIV由来タンパク質添加による細胞死の有無、リガンド結合活性・チャネル機能への効果等を探っている。5.site-directed mutagenesisを用い、α1サブユニットの変異体バキュロウイルスクローンを作成し、リガンド[^3H]AMPAの結合活性を測定し、リガンド結合に必須なアミノ酸残基を探っている。
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