研究課題/領域番号 |
07278237
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
長田 真一 横浜市立大学, 医学部, 助手 (00244484)
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研究分担者 |
水野 恵子 横浜市立大学, 医学部, 助手 (90221803)
平井 秀一 横浜市立大学, 医学部, 講師 (80228759)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | マップキナーゼ / ストレス応答 / SAPK / JNK / SEK / PAK / rac |
研究概要 |
酵母のMAPKKKに相同なほ乳類のMAPKKKを検索した結果得られた新規のキナーゼ、MUKが様々なストレス刺激で共通に活性化されるSAPK/JNKマップキナーゼを活性化させる事を見いだした。更にこれはSAPK/JNKの活性化キナーゼである、SEK或いはそのホモログを介して活性化することを細胞レベル、試験管内で示した。MUKはSAPK/JNKの経路のMAPKKKであった。興味深いことに、MUKは構造的にMLKと名付けられた機能未知のキナーゼの一群にも似ている。そこで、それらのキナーゼが同様の活性を示すか否かを検討した。その結果、MST/MLK2と名付けられたキナーゼ、SPRK/MLK3と名付けられたキナーゼも、MUKと同様、SAPK/JNK経路の上流のMAPKKKであることが明かとなった。すなわち、SAPK/JNK経路の上流には多数のMAPKKKが存在し、これがこの経路が極めて多彩な刺激で誘導される事を説明する。個々のストレス刺激がどのようにしてSAPK/JNK経路を活性化させるかは現在全く不明であり、本研究で見いだした新規キナーゼ群の活性化経路を調べることによりこれを追及することが可能となったわけである。 一方、酵母のMAPKKKに相同なほ乳類のキナーゼを検索する過程で見いだしたキナーゼMRK1,MRK2は、各々酵母のSPS1、STE20に相同性を示した。これらはいずれの同一のファミリーに属するキナーゼであり、MAPKKKKとしての機能を果たすことが示されている。すなわち、MRK1、MRK2はMAPKKKKとして機能することが予測されることとなった。既知のマップキナーゼ経路群に対する効果を調べたところ、いずれも顕著な活性化能を示さず、これらが既知のマップキナーゼ経路に関わることが推測されるに至った。このなかで、MRK2と名付けたものは低分子量Gタンパク質であるracに結合するキナーゼとして見いだされたPAKと同一であった。この制御ドメインのみからなる変異体は、細胞レベルで優性抑制型racと同様の作用、すなわち活性型rasによるNIH3T3細胞のトランスフォーメーションを抑制し、PAK/MRK2或いはその構造類似体がracの下流因子として機能していることが示唆された。
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