研究課題/領域番号 |
07279207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
田代 朋子 群馬大学, 医学部, 助教授 (50114541)
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研究分担者 |
小宮 義璋 群馬大学, 医学部, 教授 (50010046)
関本 澄人 群馬大学, 医学部, 助手 (70226661)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 神経突起 / 神経突起形成 / 微小管 / 細胞骨格 / 軸索 / 培養神経細胞 |
研究概要 |
成熟軸索の特徴の一つは、様々な脱重合条件でも可溶化されない『安全重合型』微小管の存在である。安定重合型微小管は、神経再生過程や発育過程を通して量的変動を示すのみならず、培養神経細胞でも突起形成に伴って出現し、増量する。本研究は、神経突起の形成と安定化に深く関与すると考えられるこの安定重合型微小管の形成機構およびその安定性制御機構の解明を目的とする。本年度はまづ、新しい光学的観察法を導入し、培養神経細胞の系で安定重合型微小管の実体を明らかにすることを試み、以下の結果を得た。 カバーグラス上に培養した生後2週齢ラット後根神経筋細胞を、フロー・セル内にセットし、ビデオ増強微分干渉顕微鏡観察下に、0.2%Tritron X-100を含む緩衝液を灌流して細胞膜を除去すると、神経突起内の微小管が露出し、はっきりと識別することができた。細胞外液中における脱重合の時間経過から、その安定性を定量的に評価した結果、伸展が完了した培養6日の成熟突起の微小管は、細胞膜除去後数分以内に脱重合してしまうダイナミック型微小管(t_<1/2>=1分)と、数時間にわたって残存する安定型微小管(t_<1/2>≫140分)の二種類に区別でき、安定型微小管は全体の56%を占めることがわかった。伸展途上にある培養3日の幼若突起の微小管と、成熟突起の微小管を比較すると、以下の差異が明らかになった。(1)成熟突起では、全長にわたって安定型微小管が存在するが、幼若突起では、細胞体近位部に限定される。(2)幼若突起には、成熟突起にはみられない中間的な安定性を示す微小管(t_<1/2>=15分)が存在する。(3)幼若突起の微小管は、束を形成しているが、成熟突起の微小管相互の間隔はより広く、単独フィラメントで安定である。これらの結果は、神経突起形成過程において微小管が段階的に安定化されること、幼若突起と成熟突起では安定化機構が異ることを示している。
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