研究課題/領域番号 |
07279211
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀田 凱樹 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (30010036)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
1995年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 神経細胞分化 / グリア細胞分化 / 神経回路形成 / ショウジョウバエ / シナプス特異性 / 分化スイッチ遺伝子 / 細胞接着分子 |
研究概要 |
われわれはショウジョウバエ神経系のグリア細胞の分化の最初の段階でごく短時間発現する遺伝子gcm(glia cells missing)を発見した。この遺伝子を欠損する突然変異ではすべてのグリア細胞がニューロンとなって軸索を伸ばすようになる。また遺伝子導入法によってすべての神経芽細胞でこの遺伝子を発現させるとほぼすべてのニューロンがグリア細胞型の遺伝子発現をするようになることを証明した。したがってgcmはニューロン・グリア間の分化運命を決定するbinary switch遺伝子である。クローニングした結果、この遺伝子は明確な核移行シグナルを持っているが既知のタンパク質とのホモロジーはなく、新しい転写調節因子であった。さらに興味深いことには、gcm突然変異によって本来グリアとなるべきなのにニューロン化した細胞は体節ごとに繰返して個々にユニークなパターンで軸索を伸ばした。これは、神経細胞の個性と多様性を規定する遺伝子セットと同じものがグリアの個性と多様性をも規定しているという興味深い可能性を示唆している。 次にわれわれはgcm突然変異の中枢神経系の各神経細胞の軸索走行路の解析からグリア細胞の役割の一端を明らかにした。胚発生初期に分化するいわゆるpioneer neuronはグリアの存在しない環境でも正しく軸索路を発見できるが、それに続いて分化する一般の神経細胞の軸索は多くの場合正しい路を発見できない。したがって、pioneer neuronがまず経路を示し、グリア細胞が「道路舗装」をした後に一般の神経軸索がその上を渡るという経過をたどるらしい。その道路標識となるグリア細胞も上述のように個性と特異性を持っているから、グリアとニューロン間の相互認識によって各軸索が正しい経路を見出していくと結論された。
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