研究課題/領域番号 |
07279214
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
真鍋 俊也 東京大学, 医学部(医), 助手 (70251212)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 長期抑圧 / 長期増強 / シナプス伝達 / 海馬 / NMDA受容体 / 分子生物学 / 電気生理学 / ノックアウト |
研究概要 |
1.海馬CA3領域苔状線維シナプスにおいて入力線維に持続した低頻度刺激を与えるとシナプス伝達効率の長期抑圧(LTD)が誘導できることを見いだした。このLTDは、今までに報告されている長期増強(LTP)と同様、NMDA受容体拮抗薬の存在下でも誘導可能であった。今後はこのLTDの誘導・発現機構をさらに明らかにすることを試みる。 2.遺伝子ターゲッティング法によりNMDA受容体のε2(NMDAR2B)サブユニットをノックアウトしたマウスの海馬スライスを用いてシナプス伝達を検討した。このmutantマウスは飲み込み反射が欠如するため、ミルクが飲めず生後半日以内に死亡するが、人工的に2、3時間おきにミルクを胃内に注入すると少なくとも生後3日までは正常に発育した。このように飼育したマウスの海馬スライスを用いてCA1領域におけるNMDAシナプス応答を調べたところ、mutantではnon-NMDAシナプス応答は正常に観察されたが、NMDAシナプス応答はまったく欠如していた。生後3日のwild-typeではLTPは誘導できなかったがLTDは誘導可能であった。生後3日のmutantではすべての例でLTDは誘導できず、NMDA受容体の活性化がCA1領域におけるLTD誘導に必須であると結論された。 3.遺伝子ターゲッティング法によりNMDA受容体のε1(NMDAR2A)サブユニットをノックアウトしたマウスの海馬スライスを用いて、ホールセル記録により、CA1領域におけるnon-NMDAシナプス応答に対するNMDAシナプス応答の比をwild-typeとmutantで比較したところ、mutantではその比が約半分に減少していた。また、CA1領域でのLTPはその大きさがmutantではwild-typeの約半分程度に減少していた。NMDA受容体がLTP誘導に関与することが直接的に証明された。
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