研究課題/領域番号 |
07279218
|
研究種目 |
重点領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
澤口 俊之 京都大学, 霊長類研究所, 助手 (00183830)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
|
キーワード | 前頭連合野 / スライス / コラム / サル / 光学測定 / 神経生理学 |
研究概要 |
本研究の目的は、サルの前頭連合野の機能コラムの個体発生をin vitroで明らかにすることにある。H7年度は、とくに成年期のサルの前頭連合野において、機能コラムの特徴を明らかにする目的での研究を行った。 まず、マカクザルの前頭連合野の主溝周辺領域(46野)から厚さ400μmのスライス標本を作成し、倒立顕微鏡のチェンバー内で培養しつつ、電位感受性色素RH482で染色した。ついで、皮質の各層をタングステン電極で電気的に刺激し(単一パルス、40〜300μA、通常は200μA)、刺激による活動伝播の時空間パターンを光学記録装置を用いて光学的に記録した。記録領域は通常4ミリ四方とし、皮質の全層での活動を記録できるようにした。 この実験により、興奮性の活動がコラム状に伝わることを見つけた。すなわち、ニューロン活動は刺激した点から皮質表面に対して縦方向に広がり、横方向の広がりはある範囲内(600〜1000μm)に収まった。このコラム状活動にはっきりとした境界があるかどうか調べるため、刺激電流の強さを変えて、コラム状伝播の幅がいかに変化するかを調べた。コラム状伝播の幅は刺激を強くすると広くなったが、刺激が一定の強さ(〜200μA)以上になるとプラトーに達し、一定の幅(600〜1000μm)以上には広がらなかった。また、同じスライスで刺激の位置をずらし、コラム状活動の領域がいかに変化するかを調べた。この場合、刺激の位置をずらすとコラム状活動伝播の領域は変わったが、通常、異なった領域が活動し、明瞭なオーバーラップはみられなかった。また、ずらす距離が近い場合(<〜300μm)には、ほとんど同じコラム状領域が活動した。 これらのデータは、前頭連合野に、はっきりとした「機能コラム」があることを示す。こうした機能コラムが前頭連合野の担う高次機能の情報処理単位となっていると考えられる。
|