研究課題/領域番号 |
07279221
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡 伸幸 京都大学, 医学研究科, 助手 (90252444)
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研究分担者 |
秋口 一郎 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30115779)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 神経筋接合部 / シナプス / プロテインキナーゼ / 細胞周期 / サイクリン依存性キナーゼ / CDC2 / CDK5 |
研究概要 |
神経筋接合部は中枢性シナプスの単純化された系とみることができる。我々は神経筋シナプスをモデルにして、広くシナプス一般に当てはまる原理を追求している。 さて、本年度の研究において我々は、本来細胞周期のM期を制御しているブロテインキナーゼであるcdc2キナーゼ、成熟した中枢神経ニューロンに比較的特異的に発現しているcdk5が、シナプス形成に関わっている可能性を、この2つのキナーゼを神経筋接合部に同定することにより明らかにした。 我々は以前より、細胞周期を制御するサイクリン依存性プロテインキナーゼ(cdk)が、ある種の筋疾患において異常に発現することを報告してきた。その研究の過程で、上記の2つのcdkに対する抗体により、神経筋接合部が陽性に染め出されることを観察した。次のこのことを確認するための方法として、ヒト骨格筋において120個の神経筋接合部を、α-ブンガロトキシン、抗デスミン抗体にて同定し、cdc2、cdk5の有無を観察した。結果は、全ての接合部にこれら2つのcdkが同定された。この研究成果は現在投稿中である。 神経筋接合部は、筋細胞膜が特殊化した部分であり、この部位のみにみられる蛋白、他の部位より密に存在する蛋白が集合している。シナプス形成の際には当然これらの構成々分の集積が起こるわけであるが、その機序に関しては唯一アセチルコリン・リセプター及び関連分子について明らかにされているのみである。神経筋シナプス後膜には、デスミン、核膜ラミン類似蛋白等の中間径フィラメント、微小管蛋白が密に存在している。Cdc2キナーゼは細胞分裂に際し、中間径フィラメントを脱重合する働きを持つ。また、cdk5は微小管関連蛋白をリン酸化する作用を持っている。Cdc2キナーゼ、cdk5の神経筋接合部における役割として考えられるのは、シナプス形成の際にこれらの線維蛋白質の集合過程の制御にあると推定される。
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