研究課題/領域番号 |
07279239
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
山口 和彦 杏林大学, 医学部, 助教授 (00191221)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | シナプス伝達 / オ-タプス / パッチクランプ法 / epsc / シンタキシン / 一酸化窒素 / 海馬 / 網膜 |
研究概要 |
本年度は以下のような研究実績を挙げることができた。 (1)シナプス伝達抑圧物質の検定系開発: 新生ラット海馬神経細胞を単離後、グリア細胞のマイクロアイランド上に低密度培養することにより、自己回帰性シナプス(オ-タプス)結合を持つ標本を得ることができた。ホールセルパッチクランプ法を用いて興奮性シナプス電流(epsc)を記録しながら細胞内に抗体、ペプチド等を投与し効果を検討した。シナプス前膜に存在する蛋白質、シンタキシン/HPC-1に対する抗体(0.3-1.0μg/μl)を投与したところ、オ-タプス性epscの振幅は増大した。自発性epscの量子サイズには変化が見られなかったことから、シナプス前末端からの顆粒の開口放出の数が上昇したものと思われる。従って、シンタキシン/HPC-1は生理的には開口放出の抑制的制御に関与していることが示された。一酸化窒素等の効果は検討中であるが、単純なシナプス顆粒開口放出の過程には影響が見られなかったが、今回開発したオ-タプスの検定系を用いてシナプス伝達長期増強の誘導過程への効果等、今後検討したい。 (2)軸索退行物質の検定系開発: 両生類、鳥類等の網膜神経節細胞軸索は対側の視蓋に投射するが、少数の誤配線を除去するのに一酸化窒素NOが関与しているという仮説が提出されている。本研究では軸索退行にNO等が活動依存性に関与しているか否かを検定するために、鶏胚網膜神経節細胞の培養系を用いた実験系を開発した。その結果、NO(NOR4、30μM)はテトロドトキシン存在下で有意に神経節細胞軸索伸長を抑制した。テトロドトキシン非存在下ではこのような効果は見られなかったことから、今回開発した実験系により、NOの活動依存性軸索退行効果を示すことができた。今後、さらに活動依存性軸索退行を惹起させる物質の検索、および分子機構について検討を加える。
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