研究概要 |
1)細胞死遺伝子の活性を調節する細胞外情報伝達物質 細胞死は様々な細胞外のシグナルによって調節されていて、最終的には細胞死実行遺伝子Ice/ced-3ファミリーの活性を調節されていると考えられる。細胞外からICEの活性化を調節する因子の検索を行い、神経系でも細胞傷害性を発揮するサイトカインTNFがICEの活性化を引き起こすことを明らかにした。逆に、ICE活性化を阻害する因子としてIGF-1を同定した。IGF-1は神経発生に重要な栄養因子であり、ICE活性阻害による生存維持効果が示唆された。 2)細胞死遺伝子産物に結合する因子の検索 ICEの場合その活性発現には前駆体蛋白質P45のP20とP10へのプロセッシングが必要であるが、このプロセッシング機構については不明な点が多い。本研究では酵母を用いたtwo-hybridsystemがを用いてICE/CED-3ファミリーと複合体を形成する蛋白質をcDNAライブラリーよりスクリーニングし、神経細胞死の実行に関与するICE/CED-3ファミリーの活性化につながる経路を明らかにしようと試みた。Iceの発現が確認されている細胞である、lymphoma,HeLa細胞のcDNAライブラリーをスクリーニングに用い、X-Galを用いた検出法で約100万個のHeLacDNAライブラリーの中から2つのオーバーラップするIceと結合すると考えられるクローンが得られている(4E、10F)。ced-3に関しては100万個のlymphoma cDNAライブラリーから2クローン(3T-1,3T-3)。現在全長のcDNAクローニングと、哺乳類細胞でのinteractionを調べている。
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