研究課題/領域番号 |
07279253
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
篠崎 温彦 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (20109945)
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研究分担者 |
石田 美知子 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 薬理研究部門, 研究員 (90124437)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1995年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 2-(carboxycyclopropyl)glycine / NMDA型受容体 / フッ素置換体 / 立体配座 / 脊髄運動神経細胞 / 代謝調節型グルタミン酸受容体 / uptake阻害 |
研究概要 |
2-(carboxycyclopropyl)glycine(CCG)にフッ素を付け、CCGのカルボキシル基の酸度を高める、ないしはカルボキシル基の回転をCCGより強固に固定するといった官能基の立体的配置の僅かな変動が、CCGの生理活性(代謝調節型グルタミン酸受容体の選択的活性化、NMDA様脱分極、uptake阻害など)にどのような影響を及ぼすのだろうかをテーマに、フッ素置換体である3',3'-difluoro-CCG(3'F_2CCG)の神経薬理学的性質をCCGを対照に比較検討した。グルタミン酸骨格の立体配置が伸展型である4つのフッ素置換体は全て脊髄運動神経細胞を脱分極させたが、その有効濃度は各々著しく異なっていた。L-CCG-IはmGLuR1およびmGluR2/3を活性化する代謝調節型受容体アゴニストであることが知られているが、官能基の立体配置がL-CCG-Iに対応するL-3'-F_2CCG-Iは、L-CCG-Iと同様の性質を示し、かつその活性は3倍増大した。L-CCG-IIに対応するL-3'-F_2CCG-IIはL-CCG-IIより活性は著しく低かった。一方CCGの中で最も活性が強く、NMDA型受容体のアゴニストであるD-CCG-IIに対応するD-3'-F_2CCG-IIの活性はD-CCG-IIの1/10程度であった。これに対しD-CCG-Iとそれに対応するD-3'-F_2CCG-Iはほとんど同じ活性を示した。フッ素置換CCG誘導体がCCGより一層グルタミン酸骨格の立体配座を規定していると考えられることから、3'-F_2CCGはL-グルタミン酸と受容体の結合をアゴニストの立体配座の側面から研究するプローブとして更に有用なものと考えられる。
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