研究課題/領域番号 |
07280229
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
芝 清隆 財団法人癌研究會, 癌研究所・細胞生物部, 主任研究員 (40196415)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1995年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | アミノアシルtRNA合成酵素 / 酵素の構造と進化 / ミニ遺伝子 / 進化分子工学 / イソロイシルtRNA合成酵素 / エクソン・イントロン構造 / ヒト遺伝子 / ロスマンフォールド |
研究概要 |
大腸菌イソロイシルtRNA合成酵素は、N末ドメインとしてロスマンフォールド構造をもち、このドメインがATPによるイソロイシンのアデニル化と、それに続く、tRNAのイソロイシル化反応の触媒活性を担う。このロスマンフォールドを形成する第1α鎖に注目し、この鎖を形成する17残基の各位置で酵素を2断片化した。この第1α鎖のN末端領域とそれに先立つループ領域は、ATPの結合に関与する残基や、触媒活性そのものに関わる残基が存在することが知られている。また、各種生物を通じて、非常に良く第1α鎖の1次構造が保存されている。分解した2つの酵素断片は2つのプラスミドから別々に発現させ、大腸菌イソロイシルtRNA合成酵素遺伝子ノックアウト株を用いた、in vivoでの酵素活性再構成能力アッセイを行った。その結果、調べた17対の断片化実験の全てで、活性の再構成を示す結果は得られなかった。第1α鎖は分断に関して非常に感受性が高いことが分かる タンパク質の分解単位としてのミニ遺伝構造とエクソン・イントロン構造の関係は興味を引く点である。このため、ヒトの細胞質型、ミトコンドリア型イソロイシルtRNA合成酵素cDNAから出発し、これらの2つの酵素のエクソン・イントロン構造を決定し、細胞質型酵素は34のエクソンから、また、ミトコンドリア型酵素は23のエクソンからなることを明らにした。他のグループから報告されているテトラヒメナ細胞質型同酵素遺伝子の3者の間でイントロンの位置の保存性に注目すると、唯一、ヒト細胞質型酵素と、テトラヒメナ酵素の間で1箇所のイントロン位置が完全に一致していた。少なくともこの保存されたイントロンの起源は、テトラヒメナの出現した時期にまで遡ることができる。興味深いことに、この保存されたイントロン位置で、大腸菌イソロイシルtRNA合成酵素がその活性を失うことなく2断片化される。
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