研究課題/領域番号 |
07281204
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
久保山 勉 東京大学, 農学部, 助手 (10260506)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | Nicotiana tabacum / Stigmatic exudate / thaumatin like protein / transmitting tissue / Pathogenesis Related protein / N-amineacid sequence / pollen-pistil interaction |
研究概要 |
タバコ柱頭滲出液中のタンパク質のcDNAクローニングを目指し、柱頭滲出液中のタンパク質を二次元電気泳動で分離し、そのN末端アミノ酸配列の決定を行った。柱頭滲出液中の酸性タンパク質SE32とSE39は、30mMのクエン酸buffer中で50%のアセトンでは沈殿しないが80%のアセトンでは沈殿するという性質を利用して、柱頭及び花柱の可容性タンパク質を文画した後、二次元電気泳動で分離し、PVDF膜に転写したタンパク質のN末端アミノ酸配列を気相アミノ酸シーケンサーによって分析した。その結果SE32とSE39のN末端アミノ酸配列が決定された。これらのうち、SE39は相同性検索の結果、thaumatin like protein(以下TLP)のgene family内で保存されているN末端アミノ酸配列の特徴を持つことが明らかになった。TLPは、PR protein(pathogenesis related protein)のグループ5として、ウイルスや病原菌により発現が誘導されるものや、種子や花にdevelopmentalな制御を受けて蓄積するものが報告されている。一般的に、TLPは抗菌活性を持つことが知られており、SE39についても同様に抗菌活性を持つ可能性が示唆される。 SE39がPR proteinのグループ5と相同性を持つという結果は柱頭滲出液中のタンパク質とPR proteinの構成の類似性を示すものと思われる。そこで、PR proteinのグループ3のキチナーゼに保存される配列をもとにプライマーを作成しPCRを行ったところタバコのPR-P(キチナーゼ)と90%以上の相同性を持つDNA断片が増幅された。このことから、柱頭滲出液中に酸性で分泌型のキチナーゼが含まれる可能性が高いと考えられる。
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