研究課題/領域番号 |
07281207
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
坂神 洋次 名古屋大学, 農学部, 教授 (80107408)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1995年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | 不定胚 / ニンジン / オーキシン / conditioned medium |
研究概要 |
植物固有の現象である不定胚形成を受精胚発生のモデルとする研究が発展してきており、また優良品種の大量繁殖法として不定胚の効率よい形成法を確立することは、重要である。本研究は、最も不定胚の研究が進んでいるニンジンを材料としてconditioned medium(CM)中に含まれる不定胚形成促進活性を示す物質を精製して、その化学的性質を明らかにする事を目的としている。ニンジン実生胚軸より高濃度のオーキシンで誘導したembriogenic callusから小細胞塊を選抜してオーキシンを含まない液体培地で培養すると不定胚が形成される。このとき高頻度で不定胚を形成する株と低頻度でしか不定胚を形成しない株とを樹立した。高頻度株から得られるCMを低頻度株に与えると不定胚形成率が上昇することが明らかになったので、このCM中に含まれる不定胚形成促進物質を低頻度株を用いた生物検定法により検出して精製することにした。活性物質の精製に先立ちその熱安定性、酸塩基に対する安定性、大まかな分子量の測定などを行った。その結果、活性物質は比較的熱に不安定であり、中性では安定なものの酸性特に塩基性で不安定なことが判明した。また透析実験からは、活性物質の分子量は3000以上と考えられた。これらのことを踏まえて、次に生物検定を行いつつ各種のクロマトグラフィーにより並列的に精製法を検討した。その結果、活性区分はDEAEセルロースに保持され、また逆相用担体であるDaiaion HP-20にも保持された。さらにゲル濾過としてはBiogelが良好な分離を示し、この結果からは活性物質の分子量は1000-2000と考えられた。この結果は、透析実験と矛盾するが、マイナスに帯電している透析膜を酸性の活性物質が透過しにくい可能性が考えられる。以上のことから活性物質は比較的低分子で酸性の水溶性物質であると結論している。
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