研究課題/領域番号 |
07283208
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
榎本 武美 東北大学, 薬学部, 教授 (80107383)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 減数分裂 / RecQホモローグ / TPS1 / 胞子形成 / ブルーム症候群 / 精巣 |
研究概要 |
真核細胞に大腸菌のRecQホモローグがあることは最近まで知られていなかった。しかし我々により、ヒト及び酵母からResQホモローグの遺伝子がクローニングされ、RecQが胞子形成の過程に関与することが示唆された。そこで本研究は、RecQが減数分裂の過程においてどのような役割を果たしているかを解析することを目的とした。 ヒトおよび大腸菌のRecQの間で相同性の高い部分の塩基配列を利用して出芽酵母の相同遺伝子をクローニングした。得られた相同遺伝子は検索の結果、TPS1(topoisomerase poor growth suppressor)/SGS1(slow growth suppressor)と同一のものであった。このTPS1遺伝子の破壊株を作製し、その性状を調べた。破壊株では、胞子形成能が野生株の1/8〜1/25に低下し、減数分裂時の組み換えの頻度も約1/10に低下しており、Tps1が減数分裂時のDNAの組み換えに関与していることが示唆された。ごく最近、ヒトの遺伝病ブルーム症候群の原因遺伝子(BLM)がクローニングされ、コードされる蛋白はRecQにホモロジーが高いことが示された。しかし、この遺伝子は我々がクローニングしたものと同じものではなく、ヒとには少なくとも二つのRecQホモローグがあることが明らかになった。酵母のTPS1は我々のクローニングしたヒトRecQよりBLMに近く、酵母の遺伝子破壊株の観察は酵母のBLM遺伝子の機能を解析したことになり、ブルーム症候群の患者では不稔になるという報告と一致する。 一方、今一つのRecQのmRNAの発現をマウスの種々の臓器での調べたところ、精巣、胸腺、脳で発現がみられ、精巣で特に高い発現が観察された。生後日を追って精巣での発現を調べると、zygotene期の細胞が増加する14日目から発現が増加するのが観察され、こちらも減数分裂時のDNA組み換えに関与する可能性が示唆された。
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