研究課題/領域番号 |
07283209
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研究種目 |
重点領域研究
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配分区分 | 補助金 |
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福井 泰久 東京大学, 農学部, 教授 (00181248)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 分裂酵母 / ホスファチジルイノシトール3キナーゼ / 接合 / 胞子形成 / 温度感受性 |
研究概要 |
クローニングした分裂酵母のホスファチジルイノシトール3キナーゼ遺伝子を用いて遺伝子破壊株を作成した。その表現形を注意深く検討したところ、パン酵母において報告されている表現型(高塩濃度に感受性、高温に感受性など)の他に接合能、胞子形成能が極端に低下していることがわかった。そこで、その原因を追求するため、細胞周期に異常があるかを検討した。ホスファチジルイノシトール3キナーゼ遺伝子破壊株と野性株をYPD培地で生育させた後、SPO培地に移し替えた。フローサイトメトリーによるDNA含量の検討の結果、栄養源飢餓のため野生株ではG1期に静止したが、破壊株ではこれが起こらなかったことがわかった。また、野生株では生存率が高いのに比べ、野生株ではG1期に静止できないため死滅していくこともわかった。このことが接合不能、胞子形成不能の原因と考えられる。さらに検討を進めるために、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ遺伝子破壊株の各種表現型に対するsuppressor変異株の取得を試みた。最も明瞭な表現型である高カリウムイオン感受性、胞子形成不能、接合不能について検討した結果、高カリウムイオンに対する挙動、接合能について表現型の回復した株を数種取得できた。高カリウムイオン耐性株には温度感受性が回復するなど各種ストレスに対する感受性も回復した株が存在したが、胞子形成能、接合能も回復した株はなかった。また、接合能の回復した株の中には胞子形成能も回復した株はあったが、上記のストレスに対する感受性の回復したものはなかった。したがって、ホスファチジルイノシトール3キナーゼの下流はストレス感受性に関する遺伝子系統と胞子形成・接合に関する遺伝子系統の二つに分れていると考えられた。
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