研究分担者 |
依田 幸司 東京大学, 大学院・農学生命研究科, 教授 (20143406)
湯浅 保仁 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (80111558)
田中 穂積 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (80163567)
八木 克道 東京工業大学, 理学部, 教授 (90016072)
大橋 裕二 東京工業大学, 理学部, 教授 (40016118)
藤井 修二 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (60126282)
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研究概要 |
本研究は,研究設備とその導入方法,運用の現状及び安全面・施設面等について調査を行い,その結果を解析して,現在の研究環境が研究活動に及ぼす影響等に関連する問題点を明らかにして,それらの解決の方法を探ることを目的とする。 調査はアンケート方式によって行った。国立大学のうち自然科学系の学部等(学部,研究科,研究所,センター,研究施設等)を設置している78大学1,595学科・専攻科等にアンケートを送付し,1,287学科・専攻等から回答を得た。回答率は約81%であった。 アンケート結果を集計・分析して,研究環境・研究設備等の現状を明らかにすると共に,将来の課題を整理し,関係者が解決のための方策を立てる基礎資料を提供するために検討を行った。 調査結果の分析から,次のような傾向が明らかとなった。 (1)日本の国立大学の研究者は概ね,現有設備の充足度と性能は欧米の研究機関や国内の民間や国立の研究機関に比べ大幅に遅れていると感じている。 (2)この5年間の設備費の購入状況はかなり改善されており,大型の機器類も中・小型機器類と同様に購入台数が増えている。 (3)上記の(2)の状況がある一方で,設備の老朽化も進んでおり,耐用年数が過ぎていても使用せざるを得ない機器が多数ある。 (4)大型機器の導入を期に,設備の共同利用化も進んでいる。 (5)設備の充実につれ,その機器の維持費の負担が研究費を圧迫し始めているケースも見られる。 (6)今後,日本の国立大学が科学技術の先導的役割を果たすためには,創造的人材の育成・確保および施設の充実に加えて,さらなる設備の充実が望まれる。設備を有効に稼動させるためのスペースの不足が目立ってきており,施設の充実に当たっては、研究室の侠隘化による事故等を未然に防ぐ具体的対策を,早急にたてることが望まれる。
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