研究課題/領域番号 |
07301021
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
河村 望 東京女子大学, 文理学部, 教授 (60086923)
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研究分担者 |
飯島 伸子 東京都立大学, 人文学部, 教授 (20010019)
近藤 敏夫 仏教大学, 社会学部, 専任講師 (70225621)
迫田 耕作 愛知大学, 短期大学部, 助教授 (30211270)
寺田 良一 東留文科大学, 文学部, 教授 (00163923)
渡辺 欣雄 東京都立大学, 人文学部, 教授 (90103209)
小川 英司 鹿児島経済大学, 社会学部, 助教授 (90233410)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
5,400千円 (直接経費: 5,400千円)
1996年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1995年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 近代化 / 西欧化 / プロテスタント / 仏教 / 儒教 / 資本主義 / 個人主義 / 集団主義 / 生活倫理 / 宗教 / 日本文化 / 地域統合 / 文化統合 / 現代化 / 宗教倫理 / 日本人 / 日本社会 |
研究概要 |
M.ウェーバーが『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』のなかで、近代の合理的資本主義は、プロテスタントの宗教倫理と結びついてのみ可能であったとして以来、日本の社会の近代化は西欧化でしかないという前提の当然のこととみなされてきた。これにたいし、アメリカの宗教社会学者ロパート、ベラ-が『徳川時代の宗教』のなかで、日本では、浄土真宗が西欧でのピューリタニズムと同じ役割をしたことを解明し、日本の資本主義は、明治維新以降に形成されたのではなく、徳川時代に形成されたとした。この立場は、K、マルクスやM、ウェーバーの影響の強いわが国においては、例えば丸山真男によって、荒唐無籍のものとされ、無視されてきた。 ベラ-は、日本における仏教、儒教、神道の宗教倫理が、集合的目標の達成への献身を説き、これが日本の近代化の出発点になったとした。ベラ-の本は1957年に出版されたもので、日本の高度成長期以前のものである。その後の事態の〓追からみれば、ベラ-の見解がいかにすぐれたものだったかが理解できる。しかし、ベラ-にあっても、集団主義的倫理は「よそ者」にたいして「身内」を優先させるゆえに普遍性をもたず、普遍性をもつものは個人主義的倫理のみであるとされていたのである。このような主張は現在にまでうけつがれ、最近では、日本の集団主義は、日本の奇跡的な経済成長を可能にさせたが、日本の経済成長の諸成果は、日本の集団主義の基盤を破壊しつつあるという、理論的に矛盾した見解が、一般的になっている。 本研究では、これまでの理解のように、共同体は閉ざされた社会ではなく、共同体と共同体との社会関係としての男女の関係、生者と死者の関係を通じて開かれたもので、近代化は個人主義化を意味するものでなく、新たな価値統合の過程であり、そのなかで、特定の宗教ではなく、普遍的宗教倫理が世界的に確立する、という立場がとられている。
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