研究課題/領域番号 |
07301054
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
仏語・仏文学
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宇佐美 齊 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (50079620)
|
研究分担者 |
鈴木 啓司 名古屋学院大学, 外国語学部, 講師 (90196808)
松島 征 京都大学, 総合人間学部, 教授 (90031476)
吉田 城 京都大学, 大学院・文学研究科, 教授 (80127315)
田中 雅一 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (00188335)
大浦 康介 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (60185197)
富永 茂樹 京都大学, 人文科学研究所, 助教授 (30145213)
阪上 孝 京都大学, 人文科学研究所, 教授 (70047166)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
1997年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1996年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1995年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
|
キーワード | 記号 / 意味 / 象徴 / 象徴主義 / 世紀末 / ミメ-シス / 晦渋 / 曖昧 / ミメーシス |
研究概要 |
本研究の最大の目的は、サンボリスムを従来のように単なる近代詩の運動に閉じこめたり、美術領域にのみ限定して考察するということを避け、文学(詩のみならず小説も含む)、美術、音楽などの芸術諸ジャンルを横断するかたちで多角的かつ総合的に捉え直すことであった。1993年から1997年の4年間にわたり、ほぼ隔週の割合で地道な研究会が重ねられ、その最終的な成果を『象徴主義の光と影』(宇佐美齊編著、ミネルヴァ書房、1997年)として出版した。第1章「眼と耳のあゆみ」では、モロ-、ドラクロワ、ゴ-ギャンなどの画家やドビュッシ-などの音楽家、さらにはフェリーニの映画などとの関係の中でサンボリスムが考察された。第2章「詩の変容」では、ヴェルレ-ヌ、マラルメ、ロ-トレアモン、ルナ-ル、クローデル、パスコリなどを対象に、狭義のサンボリスムの枠を超えて象徴主義的なものが当時の文学全般に対してもっていた影響の大きさが浮き彫りにされた。第3章「小説の変貌」には、サンボリスムの影響を小説の中に探るという従来あまりなされなかった諸研究がおさめられている。第4章「時代精神」としては、サンボリスムと、フェネオンのアナ-キズムや、ハルトマン、ヘルツホルツ、レヴィといった当時の思想家との深い関わりが証明され、さらに、フェノロサの漢字論を通して、サンボリスムの東洋における遠い反響が明らかにされた。第5章「手法の転換」は、サンボリスムのもたらした文学的手法の変化を扱うもので、デュジャルダンの「内的独白」、「中心紋」の手法、象徴詩の難解さや解釈をめぐって考察がなされている。本研究は以上の5つの複眼的視点によって、時代、ジャンルなどの狭い制約を超えて、サンボリスムをより広い視野のもとで再考した試みであり、今後はこの成果をふまえて、1910-30年代のアヴァンギャルド芸術運動について考察をすすめていきたい。
|