研究課題/領域番号 |
07301058
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
哲学
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
遠藤 弘 早稲田大学, 文学部, 教授 (90063544)
|
研究分担者 |
花岡 永子 大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (70148378)
間瀬 啓允 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (30051494)
延原 時行 和敬学園大学, 教授 (70237866)
村田 晴夫 桃山学院大学, 経営学部, 教授 (20061400)
山本 誠作 関西外国語大学, 外国語学部, 教授 (40026737)
武田 龍精 龍谷大学, 文学部, 教授 (60081048)
藤川 吉美 九州女子大学, 学長 (70016492)
田中 裕 目白学園女子短期大学, 助教授 (70197490)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1996
|
研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1996年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
|
キーワード | プロセス / リズム / 生命 / システム / 美的価値 / 神 / 生成 / 有機体 / 文明 / 環境 / 調和 |
研究概要 |
遠藤は現象学における時間の根元についてのアポリアと分析哲学の出来事存在論を巡る今日の論争をホワイトヘッドの立場から超克しうるとともに両学派に伏在する<コトの本質>への接近がホワイトヘッド形而上学にも新たな光を投じうる可能性を示した。花岡はホワイトヘッド形而上学に実存論的な検討を加え、そこに躍動する独特の弁証法を洞察している。山本は螺旋的歴史観という観点からする限り、禅的な解釈から解放された西田哲学と、リズム論を擁するホワイトヘッド形而上学とが同工異曲であることを示した。大島は全体的思考、両極的思考、形態的思考という現代神学における三つの思考法をバルト、ホワイトヘッド、ティリッヒに見て、三者を比較し、それらの異同を明確にした。武田はホワイトヘッド自身による仏教理解、仏教批判を踏まえた、仏教との比較思想的研究を行っている。延原はホワイトヘッド神論を発展させたプロセス神学の現代的な諸問題に関する精緻な研究を展開している。藤川は文明の発展史をホワイトヘッド的に価値基準の進化過程として捉え直す試みを行った。間瀬は生命中心の視点から、価値のエコロジカル・モデルを提唱した。酒井はホワイトヘッドにおける共通善としての美に着目し、教育目的としての美的価値について考察を重ねた。村田はシステム論を哲学的に基礎づけることを試みる中で、ホワイトヘッドの社会概念の階層性を通して現実世界のシステム的階層性を認識し、組織倫理学を提唱している。永見はホワイトヘッドの著作そのものを隠喩の解釈学的立場から批判的に検討を加えている。最後に田中はホワイトヘッドの主要著作をデーター・ベース化するとともに、インターネットを通じて国際的な規模の討論を可能にし、本研究に大きく貢献した。総じて、すこぶる実り多い研究が行われ得たと、筆者は確信している。
|