研究概要 |
「幾何構造の可視化」の研究に関連して企画された以下の6つの研究集会を後援した:阿部孝順(信州大)主催の「コンピュータを援用するトポロジーの研究」,津久井康之(専修大)主催の「Graphと3次元多様体の研究」,北野晃朗(東工大)主催の「基本群の表現空間の幾何」,根上生也(横国大)主催の「位相幾何学的グラフ理論研究集会」,小山晃(大阪教育大)主催の「高次元位相多様体論」,合田洋(東京理大)主催の「結び目の位置と3次元多様体の構造」.いずれも少人数の集会で,幾何学におけるコンピュータの役割に関する突っ込んだ討論がなされた.とくに日本ではこの分野の研究支援の研究が遅れているという指摘が複数の集会であった.また,深谷賢治(京都大)代表の科研費総合A(研究課題:幾何学と種々の数学の関わり)と共同で研究集会「Surveys in Geometry無限群と幾何学」を開催した.ここでは,計算機科学が幾何学的群論へ理論的に貢献するという,従来とは趣のことなる数学と計算機科学の相互作用が一つのテーマとなり,将来の発展に期待が集まった. これらの活動と連携しながら,研究組織では幾何構造の可視化のため具体的な実験試行を繰り返し,計算機支援の環境整備を目指した.とくに,境界付き双曲多様体のDehn手術変形の境界への影響をディスプレイ上に可視化するアルゴリズムを作った.ただしコンピュータ上実装については計算量の問題を残している.
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