研究課題/領域番号 |
07304030
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・核・宇宙線
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
堀内 昶 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60027349)
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研究分担者 |
香村 俊武 筑波大学, 物理学系, 教授 (20015556)
大塚 孝治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20201379)
市村 宗武 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10012436)
大坪 久夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30029491)
滝川 昇 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (00125600)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
11,200千円 (直接経費: 11,200千円)
1997年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
1996年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
1995年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
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キーワード | 微視的シミュレーション / 不安定核 / 元素合成 / TDHF / 複素回転法 / 天体核反応 / 融合反応 / 破砕反応 / 直接反応 / 分子的構造 / 相対論的平均場理論 / Hartree Fock 理論 / 分子動力学 / 微視的シミュレーション理論 / 直接反応理論 / スピン・アイソスピン励起 / 重陽子分解反応 / 相対論的平均場近似 / クラスター構造 |
研究概要 |
本研究計画は1995年度から1997年度までの3年間にわたって進められたもので、それはわが国における低エネルギーから中高エネルギーの領域での原子核衝突の理論的研究が微視的研究を中心にして国際的に第一級の独創的研究が数多く活発に為されている状況を背景としたものである。代表的な研究課題として、(1)「中高エネルギー重イオン反応の量子力学的微視的シミュレーション理論による研究」、(2)「中性子過剰あるいは陽子過剰の不安定核による種々の反応過程の研究」、(3)「宇宙における元素合成の研究の為の低エネルギー核反応の精密理論計算」、(4)「クラスター模型による核反応研究」がある。これら主要課題毎に目立った実績のほんの一部の例を挙げると以下のようである。詳細は研究成果報告書に譲る。(1)については反対称化分子動力学による研究が、陽子非弾性前平衡反応から“Au+Au"という重核系の研究までを対象として推進され、実験が理論により良く表現され、破砕反応の動力学の理解が著しく進展した。(2)については複素回転法による不安定核共鳴状態の研究が大きく進展を遂げ、TDHF法による不安定核融合反応の微視的研究が実験と対比出来る結果を出す段階に至った。(3)については、低エネルギー重イオン融合反応研究が精密化して分光学的研究に資するほどに至り、また銀河の化学進化モデルと原子核素粒子理論を結合させて元素の起源と進化を研究するモデルが一層精密化された。(4)については、中性子過剰核のクラスター構造を破砕反応で研究する新しい考えが提案され、また天体核反応のクラスター模型計算が大きな進展を見せた。本研究計画実施の3年間には、当初の目的に叶った豊富な研究成果が得られているが、それには理論的研究独自の展開が強力に進められたことを中心とはするが、同時におよびその背景に実験的研究との実り多い交流・協力関係の果たした役割が大きかった。特に不安定核研究に代表されるようにわが国は実験と理論が強い協力関係を持った形で国際的にも指導的な役割を果たしており、それを受け継ぎ新たな興隆を作り出す上で本研究計画は非常に有用な役割を果たしてきたと考えている。本研究計画の扱う研究分野はどれも国際的協力や交流が盛んに行われているので、最終年度には海外からも第一線の研究者を多数招聘しての国際研究集会を行った。この国際研究集会は本研究代表者が組織委員長の一人として平成9年11月に大阪で開催した「原子核多体問題における革新的計算方法に関する国際会議」であって、研究の最前線に関する多くの研究発表や活発な議論が行われ大変に意義深く研究計画実行に大いに寄与した。
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