研究分担者 |
岡田 博有 九州大学, 理学部, 教授 (60037182)
君波 和雄 山口大学, 理学部, 教授 (20127757)
増田 富士雄 京都大学, 理学部, 教授 (30091929)
足立 守 名古屋大学, 理学部, 教授 (10113094)
公文 富士夫 信州大学, 理学部, 助教授 (60161717)
立石 雅昭 新潟大学, 理学部, 教授 (00126426)
武蔵野 実 京都教育大学, 教育学部, 教授 (10027716)
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配分額 *注記 |
16,200千円 (直接経費: 16,200千円)
1997年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1996年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
1995年度: 6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
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研究概要 |
本研究は,東アジア変動帯において砂岩組成に反映された造構環境や後背地の特性を読みとり,その一般的法則性を明らかにすることを目的とした.君波ほか(1992)によって提唱されたAl_2O_3/SiO_2-Basicity Indexダイアグラムを検証・発展させることによって,砂岩の化学組成が後背地や造構場の識別に有効に働くことを明らかにした.また,SiO_2-(FeO+MgO)/(Al_2O_3+K_2O)およびK/Al-(Fe+Mg)/Alという類似の新しい識別ダイアグラムを2種類提案した.ペルム紀から白亜紀にかけての日本列島の砂岩組成の系統的なデータ集積を行い,塩基性の火山弧的な後背地から花崗岩類および酸性火山岩類の卓越する成熟した火成弧への大局的な砂岩組成の時代的変遷を明らかにした.その試料を含めて,東アジア〜東オーストラリア地域にかけての380試料の化学分析を本研究の企画として行い,東アジア変動帯の造構作用を解明する上で重要な様々な時代と地域において地質情報とともに砂岩組成の種々のデータや基盤岩のデータを集積した.特に,重鉱物の種類と量比,ガ-ネットやスピネル鉱物粒子の化学組成,モナザイトやジルコン粒子の年代などの緻密なデータの集積は最近の大きな進歩である.タ-ビダイトを素材として堆積過程における水理学的分別作用の実態を解明し,後背地や造構場識別の精度を上げることができた.また,堆積相,高海水準期と低海水準期の違い,海進期と海退期の差などによって,砕屑物を生産する場の広がりと運搬・堆積させる水理条件の違いが砂(岩)組成に与える影響も具体的に検討された.砂岩組成は堆積場の堆積過程の解明にも重要な役割を果たすことが,また,これらの要素の解明が造構場や供給源の精度の高い復元を可能にすることも明らかにされた.
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