研究概要 |
平成7年度は6月から11月にかけて、一人1ないし2回にわたって、北海道の日高地方から宗谷地方に至る地域の現地調査に入り、北海道在住のアマチュア化石コレクターおよび地質層序学を学んでいる大学院生等の協力を得て地質層序を調べると共に化石の採集を行った.それらの収集標本と各研究者がこれまで収集して所蔵している標本および、北海道三笠市立博物館、北海道大学、東北大学、千葉大学、国立科学博物館等に保管されている未解析の含化石試料を調査し、本目的に適合する試料を見つけ出し、許可を得て組織プレパラート等を作成した。研究代表者の鈴木は双子葉類の材化石を、分担者の西田は被子植物の生殖器官化石を、斎木は裸子植物及び双子葉類の生殖器官化石を、大澤は裸子植物の栄養器官を中心に研究を行った. 平成8年度にはメンバー全員で5月22日から27日の間,北海道留萌郡小平町で白亜紀植物化石の採集を行い,引き続き三笠市で研究成果の講演を市民向けにおこなった.また,同時に化石愛好家から所蔵している植物化石を借り出した.この採集旅行に於いて日本最古の双子葉類植物化石となるセノマニアン期の木材化石を数点のほか,多数の植物化石を採集した.西田,大澤は18月に青森県八甲田山で,1997年2月に沖縄本島で化石比較用の現生植物の採集を行った. 両年度に収集された化石の薄片作製,プレパラート化を行い,顕微鏡による観察,同定記載を行った.これらの成果の一部については日本植物学会,日本古生物学会,日本植物分類学会の各大会に於いてすでに発表し,また平成9年度にも引き続いて発表予定である.また,この間の研究成果を別途科学研究費補助金の報告書として発行した.
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