研究課題/領域番号 |
07304067
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
篠塚 雄三 山口大学, 工学部, 教授 (30144918)
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研究分担者 |
吉田 博 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (30133929)
萱沼 洋輔 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80124569)
中山 隆史 千葉大学, 理学部, 助教授 (70189075)
住 斉 筑波大学, 物質工学系, 教授 (10134206)
押山 淳 筑波大学, 物理学系, 教授 (80143361)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
1996年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
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キーワード | 電子励起 / 欠陥反応 / 準安定構造 / 非平衡物質 / 構造変化 / 緩和ダイナミックス / 第一原理計算 / 不純物・欠陥 |
研究概要 |
正味1年半の短い期間であったが、3回の全体研究会と個別的研究により、以下に掲げる著しい成果が得られた。 ○s-p結合の変容:基底構造以外にどのような準安定構造が存在するかが第一の問題である。s電子とp電子が結合を司る物質群において、フラーレンなどのクラスター、表面吸着原子系、不純物点欠陥系などでは予想以上の可能性があることが判明し、その相互関係およびバルク結晶構造との関係も判り始めてきた。また、ワイドギャップ半導体の価電子制御に関連して自己補償効果を防止するドナー・アクセプター同時ド-ピング法が提案された。 ○アモルファス物質:第一原理計算シミュレーションをもとに4配位系でのダングリングボンドの安定配置と電子励起構造変化の仕組みが提案された。アモルファス物質における電子状態および光吸収・発光過程、電子励起誘起構造変化現象を解明することは、物質の凝集機構および結晶物質の物性をより深く理解することにつながる。 ○緩和のダイナミックス:局在電子および表面吸着原子系に対して電子・原子系の時空間での変化を扱う理論が提案され、断熱ポテンシャル間の動的乗り移り極限と静的極限(トンネル過程)を統一的に扱うことができるようになった。励起状態に対する緩和形態の選択性を明らかにすることは、STM探針操作を含む原子・分子操作技術につながる。 一般に、電子励起誘起構造変化については、1)どのような基底状態(電子および原子配列構造)から、2)どのような電子励起で(励起方法および励起電子状態)、3)どのような緩和過程(時空間での電子原子系の変化のダイナミックス)を経て、4)どのような準安定構造(電子状態と原子配列)に変化するか、の4項目全てが明らかになることで初めて、十分に理解・解明したといえる。個々の現象解明はこの2年間に大きく進展したが、今後さらに現象間の一般性・普遍性を追及することで、物質の多様な結合様式に対する知見が深まり(自然認識)、非平衡下での新構造・新物質作成のための基礎的指針(物質設計のガイドライン)が得られるであろう。
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