研究分担者 |
吉原 章 石巻専修大学, 理工学部, 助教授 (40166989)
落合 明 新潟大学, 工学部, 助教授 (90183772)
藤田 敏三 広島大学, 理学部, 教授 (20004369)
鈴木 孝 東北大学, 理学部, 教授 (30004344)
長谷川 彰 新潟大学, 理学部, 教授 (40004329)
豊田 直樹 大阪府立大学, 先端研究所, 教授 (50124607)
巨海 玄道 熊本大学, 教養部, 教授 (00111146)
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研究概要 |
本基盤研究では,重い電子糸,高温超伝導体,有機伝導体,低次元スピン系などの強相関電子状態における格子歪み,音響フォノンと電荷およびスピン,軌道を持った電子状態との相互作用の統一的な物理像を確立するため,次のような課題を設定した.(1)f電子系の四重極応答(2)超伝導と電子一格子相互作用(3)音響ドハース効果とフェルミ面(4)ブリュアン散乱と低次元系 希土類化合物の局在f電子系における四重極子一歪み相互作用は超音波物理の基本概念であり,本研究でも中心課題であった.従来からの磁気秩序に加えて四重極子秩序について具体的な研究が進み始めたことは特筆すべき成果といえよう。近藤物質CeB_6, Ce_3Pd_<20>Ge_6や半導体TmTeにおける反強磁性的な四重極子相転移の超音波,磁性,中性子散乱などの実験が精力的に進められた。希釈合金Ce_xLa_<1-x>B_6も注目を集め,サイト間の磁気および四重極子相互作用と近藤効果との競合,四重極子揺らぎなど超音波物性の新しい成果が生まれた。超伝導体CeRu_2は典型的な遍歴型4f電子系でり,FF相の可能性が議論された超伝導相の異常が横波(C_<11>-C_<12>)/2モードの顕著なソフト化と深く関連することが示された。このソフト化とバンド構造との関連も研究された。超伝導相での磁束構造と弾性異常も研究が進んだ。音響ドハース効果も重要な課題であり少数キャリアー系の希土類モノプニクタイドでの電子格子相互作用の特徴が研究された。ブリュアン散乱では超薄膜,人工格子の研究に加えて,EuSeなどの希土類化合物単結晶のマグノン,フォノン分光も研究され発展が期待される。価数揺動物質Yb_4As_3の電荷秩序と低次元磁性との競合など新しい領域が発展している。昨年11月には新潟県浦佐で約50名の参加で研究会を行ない研究成果を取りまとめた。
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