研究分担者 |
野口 博司 九州大学, 工学部, 助教授 (80164680)
中井 善一 神戸大学, 工学部, 助教授 (90155656)
石井 仁 静岡大学, 工学部, 教授 (90022235)
箕島 弘二 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50174107)
酒井 明 京都大学, 工学部, 教授 (80143543)
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研究概要 |
走査プローブ顕微鏡としてSTM,コンタクトモードAFM,タッピングモードAFMを用いた,ナノフラクトグラフィ技術の開発とその標準化をはかるためのラウンドロビン試験を実施した。試験にあたってはマイクロシ-ニングにより作成したSPM標準試料,CDサンプル試料を各研究機関に配付して,各研究機関において,SPM観察を行った。これにより,各研究機関間における深さ精度などの測定結果の差異,水平距離測定精度,SPM像に及ぼす超高真空中と大気中の観察環境の影響や探針先端の形状の影響,SPM観察を行う前後の探針の損傷,および各SPMモード間の差異とそれらの特徴について考察を加えた。また,ナノメータオーダの3次元形状測定におよぼす製造メーカーの依存性について検討を加えた。さらに,AFM・STMを破壊強度研究に用いた例として,腐食ピット,粒界腐食,応力腐食割れ損傷のその場観察について検討を加えるとともに,種々の金属材料の疲労損傷過程にSPMを用いて,き裂発生,進展過程のナノメータオーダの機構について考察を加えた。また,AFMをナノメータオーダの微小硬さ計として応用するための基礎研究を行い,本手法を用いてナノメータオーダの微小領域の機械的特性が十分な精度により測定できることを示すとともに,SPM像に大きな影響を与えるSPM探針の先端形状をナノメータオーダの精度で測定する手法を開発し,その有用性について考察を加えた。
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