研究課題/領域番号 |
07305013
|
研究種目 |
総合研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測・制御工学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
中鉢 憲賢 東北大学, 工学部, 教授 (20006224)
|
研究分担者 |
山本 克之 北海道大学, 工学部, 教授 (10088867)
山越 芳樹 群馬大学, 工学部, 助教授 (10174640)
古幡 博 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (70056985)
小岩 喜郎 東北大学, 医学部, 助教授 (80091685)
金井 浩 東北大学, 工学部, 助教授 (10185895)
|
研究期間 (年度) |
1995
|
研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1995年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
|
キーワード | 動脈硬化 / 局所的弾性率 / 脈波伝搬速度 / 超音波診断 / 非侵襲的診断 / 超音波ドプラ / 微小振動計測 / 循環器疾患 |
研究概要 |
心筋梗塞や脳疾患の主因である動脈硬化は30代以前から進行し、発病前の早期段階での無症候性動脈硬化の診断技術が、早期治療に不可欠となる。特に早期診断のためには、腹部大動脈や頚動脈上の数mm以下の局部における弾性的特性に関する非侵襲的計測・評価が必要である。これまで本研究者らは、心臓壁も含め大動脈壁上の数十μmの振幅の微小振動を高精度に計測できる方法を提案し,脈波速度法の原理に超音波ドプラ計測法を導入し、動脈各部の局部的な硬化度を定量的い計測する方法を提案した.しかし、一般に心臓や動脈壁面上の2点間を伝搬する圧力波は20Hz以下の低周波成分しか含んでいないため、上記の手法では計測能力があっても、高周波数成分が得られず、動脈硬化症の早期段階に現れる脂肪班や線維班に相当する十数mm以下までの空間分解能の向上には限界があることが明らかになってきた.本研究では,パルス波形を生成して大型の加振器へ加え、脊推に高周波成分まで含むパルス状の加振を行なう.この外部加振により、胸部で脊推と接する胸部大動脈を介して、高い周波数成分の微小振動を対象となる動脈(腹部や頚動脈)壁や心臓壁上に伝搬させ、この振動波形を壁上の測定したい微小領域内の2点で超音波を用いて同時に計測した.本研究では、この加振による装置を実際に構成し、既に独自に開発してきた計測方法や多くの信号解析手法と組合せ、最適な加振方法,加振位置,加振周波数,計測位置などを基礎的に検討し,空間分解能の向上に関する評価を行なった上で,これまでに従来の脈波速度法の開発と臨床に携わってきた研究者らとの共同研究を進めることにより、この新しい加振方式動脈局部硬化度計測法の確立と実用化を進めた.本研究成果によって、動脈硬化による壁弾性率の局所的変化に関する直接的計測・評価が可能となり、動脈硬化症の早期/進展/縮退の各段階における力学的特性の局部的変化の診断が初めて可能となった.
|