研究分担者 |
杉江 俊治 京都大学, 工学部, 助教授 (80171148)
早川 義一 名古屋大学, 工学部, 教授 (60126894)
原 辰次 東京工業大学, 総合理工学研究科, 教授 (80134972)
山本 裕 京都大学, 工学部, 助教授 (70115963)
太田 快人 大阪大学, 工学部, 助教授 (30160518)
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研究概要 |
新しい制御系設計理論の枠組みを作り上げるため,実システムの物理的構造と数式モデルの数学的構造の整合性をとり,モデリングと制御系設計を一体として考える理論を構築することを目指した.各自が各々の分野で成果を得るように研究を進めるとともに,4回の研究打ち合わせ会を通して,以下の成果を得た. 1.システムの物理的不確かさを過大評価しないロバスト制御の理論の開発 2.ロバスト制御理論の予見制御への拡張や,可調整パラメータの導入 3.デッドビ-ト制御,対称システム,信号処理へのサンプル値制御理論の適用,精密化,拡張 4.非線形システムや変動するシステムのモデリング,ゲインスケジュール制御,適応制御の理論の開発 5.制御方策に構造をもつ分散制御の理論の整理と拡張 6.入出力データ配列に基づく制御方策の開発 これらの成果の多くは,まだ従来分野の成果としての色彩が強いが,研究者代表・分担者・協力者17名の頭の中に「システム構造に基づく制御系設計理論の構築」の重要性がフィロソフィとして組み込まれた意義は大きく,今後,互いの協力によって,分野をまたぐ思想になって現れると確信できる. また,6のように,従来研究とはまったく違う発想の研究が現れたことは注目に値する.従来のモデルに基づく研究の発展とともに,従来とは異なる発想の研究によって,システム構造を適切に扱うことが可能になるであろう.
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