研究分担者 |
渋谷 寿一 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016417)
久保 司郎 大阪大学, 工学部, 教授 (20107139)
尾田 十八 金沢大学, 工学部, 教授 (30019749)
小倉 敬二 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (70029007)
石川 博将 北海道大学, 工学部, 教授 (80001212)
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研究概要 |
1.サーモグラフィーによる非接触温度測定法によって,接触部の温度分布と疲労損傷の関係について調査した.また,サーモグラフィーを用いて接触表面の主応力和(応力の第一不変量)は計測することができるが,原理上主応力和から個々の応力成分は分離決定できないとこれまでいわれてきた.これに対して,研究代表者は応力成分の分離を可能にする基本的な条件を理論的に考察し,実際問題のほとんどについて上述の難点を解決できる手法を開発した. 2.圧延ロールのスポーリング損傷に代表されるように接触荷重下の疲労き裂はせん断形で大きく成長することが指摘されてきた.しかし,せん断形疲労き裂進展を実験室レベルで再現することは非常に困難なため,特にワークロール鋼や軸受鋼などの硬い材料のせん断形疲労き裂進展に対する抵抗値はこれまで得られていなかった.本研究では,せん断形疲労き裂進展に対する抵抗値を硬い材料でも測定できる方法を開発し,実際にレール鋼,圧延用ロール鋼および軸受鋼などの値を測定した.その結果,せん断形の抵抗値は引張形の疲労き裂進展に対する抵抗値より大きいことが明らかになった. 3.高真空や高温環境といった過酷な環境下で使用される高機能軸受の材料として期待されるセラミックスの接触疲労のメカニズムを解明するために,球圧子が平板上を往復するすべり接触応力下で疲労試験を行う機能を有する試験機を開発した.窒化ケイ素を用いた実験によって初期欠陥から進展するき裂の進展挙動を詳細に観察し,さらに球-平板接触荷重下の応力分布を用いてき裂進展挙動を力学的に評価した.
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