研究課題/領域番号 |
07306006
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
林学
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
太田 岳史 岩手大学, 農学部, 助教授 (20152142)
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研究分担者 |
中井 裕一郎 森林総合研究所, 北海道, 研究員
小南 裕志 森林総合研究所, 関西, 研究員
窪田 順平 東京農工大学, 農学部, 助教授 (90195503)
児玉 裕二 北海道大学, 低温科学研究所, 助手 (70186708)
石川 信敬 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (70002277)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
1997年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 森林 / 積雪 / 樹冠状態 / 熱水収 / 熱収支 / エネルギー収支 / 蒸発効率 / 水収支 / 水・熱フラックス |
研究概要 |
各研究機関での個別の観測・解析の他に、1996年2月、1997年2月に森林総合研究所北海道支所内のヤチダモ林(落葉樹林)のタワーにおいて熱収支および微気象要素の鉛直プロファイルの観測を行った。そして、この結果を他の常緑樹林の結果と比較した。その結果、以下の点が指摘された。(1)樹冠上帯が大きく異なるにもかかわらず、純放射量、顕熱量はほとんど変化しなかった。(2)純放射量の変動が小さくなった原因は、上向き長波放射が落葉樹林で小さくなるため、アルベドが常緑樹林で大きくなる効果が相殺されるためである。(3)顕熱量が落葉樹林でも常緑樹林とほとんど同じ大きさを示したのは、ゼロ面修正量が低下し大気と樹冠のかなり低い層までが大気との熱交換に関与するようになること、粗度が増加し大気の混合を促進するためと考えられた。 また、樹冠からの遮断蒸発特性に関しては、以下の点が指摘された。北海道の観測では(1)融雪期より2月の方が冠雪期間が長いためは多くなり森林全体からの蒸発量は約0.8mm/dayを示し、無視し得ない量となる。(2)この値は、森林のない積雪面から蒸発量の約2.5倍となった。(3)林床の積雪からの蒸発量は0.15-0.35mm/dayであり、遮断量は0.4-0.6mm/dayと推定された。暖候地の十日町では(1)平均遮断蒸発量は2.7-4.2mm/dayに達し、放射収支量の2-3.5倍となった。(2)森林内外の積雪差は主に遮断蒸発によって生じる。この他、森林内の貯熱量は無視し得ない大きさになる可能性があることなども指摘された。
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