研究分担者 |
松林 宇一郎 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80126903)
佐藤 邦明 埼玉大学, 工学部, 助教授 (10008881)
加賀屋 誠一 北海道大学, 工学部, 助教授 (70091436)
佐藤 忠信 京都大学, 防災研究所, 教授 (00027294)
林 春男 京都大学, 防災研究所, 教授 (20164949)
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研究概要 |
自然災害データベースを活用した災害の地域性に関する研究においては,わが国における自然災害の発生において,地域固有の特徴としてどのようなものがあるかを調べ,それを支配する要因の近年の変化と将来の変化傾向の推定を行った.そして,それに対処するための具体的な被害軽減策を提案した.とくに,2050年までに東海,東南海,南海地震の発生が憂慮され,仮に同時発生すれば,中部地方以西の太平洋沿岸各地では,地震動と津波による大きな広域被害が発生するので,この被害の地域的な特徴を防災地理情報システムの援用を受けて明らかにした.さらに,各地での津波の特性を数値計算で求め,震源との関係で大きく変化する最大波高や最短到達時間などの情報を活かした津波避難マニュアルを提案し,人的被害の軽減を図った.ついで,災害史データベースを活用した災害の歴史性に関する研究では,阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた阪神地区の歴史災害の特徴を見いだすとともに,歴史災害の復元のために必要な基本事項を整理し,全文データベースからの基本事項の検索方法を検討した.なかでも,阪神・淡路大震災によって大きな建物被害を受けてところは,かつて複合扇状地の形成期における湿地帯とよく適合することを見いだした.そして,畿内地方での遺跡発掘資料の解析から,大洪水氾濫災害が当時の慣行や社会システムに与えた影響が極めて大きかったことを特定して,自然災害の社会に対するインパクトの変遷を見いだした.
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