研究課題/領域番号 |
07308050
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 総合 |
研究分野 |
生物物理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
神山 勉 名古屋大学, 大学院理学研究科, 教授 (30170210)
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研究分担者 |
葛西 道生 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (40022595)
大木 和夫 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (80115394)
佐甲 靖志 東京大学, 教養学部, 助手 (20215700)
宮本 茂昭 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (40219811)
有坂 文雄 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (80133768)
石渡 信一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (10130866)
神谷 律 東京大学, 理学研究科, 教授 (10124314)
豊島 近 東京大学, 分子細胞生物研究所, 教授 (70172210)
中西 守 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (90090472)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
1996年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1995年度: 5,100千円 (直接経費: 5,100千円)
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キーワード | 細胞内小器官 / 細胞内膜系 / 非膜系高次構造 / 生体超分子 / 細胞内脂質輸送 / 人工脂質膜 / 球殻状集合体 / チューブ状集合体 / 生体膜 / 膜蛋白質 / 膜小胞 / 細胞運動 / 蛋白質集合体 / 蛋白質の自己集合 |
研究概要 |
当研究班は細胞内の様々な動的高次構造体の構築原理を統一的に解明することを目指して研究活動を行った。研究課題に掲げた「細胞内動的構造体」とは、主には細胞内小器官を指しており、「構築原理の解明」とは、それらの形成過程を人工的に再現できるくらいに理解しようということである。具体的な研究対象としては、真核生物の細胞内膜系(形質膜、核膜、ミトコンドリア内膜、葉緑体チラコイド膜、筋小胞体、視覚桿体細胞の円盤膜、神経細胞のシナプス小胞、脂質輸送系)の他、非膜系高次構造体(細胞骨格、真核べん毛、筋フィラメント)、特殊な高次構造体(ウイルス、バクテリア、べん毛モータ、高度好塩菌の紫膜)および人工脂質膜を加えた。分担課題が広範囲にわたっているのが当研究班の特徴である。細胞内膜系の極めて動的な挙動は非膜系高次構造体との相互作用を抜きにしては語ることができないのであり、細胞内の諸現象を包括的に議論する機会を作ることが重要であると考えたからである。 班会議および公開シンポジウムを開催し、班員の研究成果を最新情報を織り交ぜて発表してもらった。新しい発見が続々と報告され、生命科学の進歩の速さに改めて驚かされた。研究者間の相互理解という観点からすれば、研究班の主要な目標は果たせたと考えている。他方、班員の実際上の興味は分子レベルの個別の現象に限定されがちで、一方通行の情報伝達のみに満足してしまう場面が多く、相互批評を糧にして各々の研究のレベルを高めていくという目標からすれば物足りなさを感じた。とは言うものの、細胞レベルの複雑系に対する物理化学的な解析法が定まっていないという現状を克服し、細胞内動的構造体の構築原理の解明に果敢に取り組むという姿勢は今後とも継承されるべきであろう。当研究班の試みが、すぐにとはいかなくても、5年ないし10年後に実を結ぶことを願う。
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