研究分担者 |
根平 邦人 広島大学, 総合科学部, 教授 (40034582)
沼田 眞 千葉県立中央博物館, 館長 (10009037)
中村 太士 北海道大学, 農学部, 助教授 (90172436)
中村 俊彦 千葉県立中央博物館, 科長 (90250159)
紙谷 智彦 (神谷 智彦) 新潟大学, 農学部, 助教授 (40152855)
浜端 悦治 滋賀県立琵琶湖研究所, 主任研究員 (40238077)
鎌田 磨人 徳島県立博物館, 学芸員
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研究概要 |
日本各地の代表的景観域において、景観の基礎的解析法の開発とその標準化を行った.最も多くの成果は,日本での占有面積の広い農村域から得られた.東西日本の農村の景観構造の急速な変遷が把握され,景観構造の動的平衡が消滅したときにその景観内の生物種に絶滅の危機が来ることが明確にされた.さらに里山の群集構造やバイオマス等が調査され,景観要素の生態学的属性も把握された.さらに本州と四国の山間農村では,農村以上に景観構造の変化が大きいことが判った。次に,流域景観においても同じく多くの成果をあげた.水が起こす様々な作用がエコトープの動態を介して明らかとなった.流域内の植物群集は河川水の影響の大きさ別に順に配列しており,これは北海道,本州,四国において類似的なものであった.エコトープの内部構造の研究は,防火帯の草地,及び高山植生で研究された.前2者の二次草原では人為が,自然草原ではフィジオトープが,エコトープの内部構造を規定していた.以上の陸上のエコトープはスケール論的には1:25,000縮尺で解析可能であり,このスケールでの景観解析の標準化が有効であると結論された.一方,水中での景観分析は困難な作業となり,河川水,湖,沿岸サンゴ礁海域を対象とした研究を行ったが,生物の生育地としての水中構造の把握はできたが,景観解析の標準化はできなかった.また,GISを使って景観資料のデータベース化も行い,基礎的段階に到達することができた.
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