研究分担者 |
金子 邦彦 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30177513)
高橋 陽一郎 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (20033889)
岡部 靖憲 東京大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30028211)
西浦 廉政 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00131277)
辻下 徹 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10107063)
松本 健司 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80183953)
儀我 美一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70144110)
岸本 晶孝 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00128597)
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研究概要 |
複雑現象の数理的理解を深め,現象の数理学的構造を抜き出すことにより,実験数学の方法を確立することを目的に研究集会を行なった.取り扱かった複雑現象は,脳神経系,特に,海馬の錐体細胞の動的挙動,運動系の動的制御であり,さらに,雲の形成,経済現象,細胞分化,タンパクの機能発現部位をダイナミクス等多岐にわたった. これらを研究する方法としては,カオス結合系,種々のダイナミクスを生み出すニューラルネット,種々のプログラムが動的に相互作用するプログラム生態系,非線形微分方程式論,確率過程とカオス力学系を結びつける新しい確率論,変分法,論理とカテゴリー論,論理と力学系の変換に関する一般論等が挙げられた. 複雑現象に共通する数理的構造として,高次元多様体の構造,種々の論理に関係する代数構造,さらには,特別な関数空間の構造等がうきぼりにされ,今後の詳しい構造研究が必要であることが認識された. さらに,内部観測の重要性が指摘された.観測者が,環境と不可避的に相互作用するために,観測者と環境が一体となった系の研究が,複雑系の数学の重要な研究課題になるとの共通認識が得られた.
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