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農耕文明生成と発展過程の日中共同研究

研究課題

研究課題/領域番号 07351004
研究種目

総合研究(B)

配分区分補助金
研究分野 考古学(含先史学)
研究機関大手前女子大学

研究代表者

秋山 進午  大手前女子大学, 文学部, 教授 (00126484)

研究分担者 広岡 公夫  富山大学, 理学部, 教授 (30029467)
大貫 静夫  東京大学, 文学部, 助教授 (70169184)
宮本 一夫  九州大学, 文学部, 助教授 (60174207)
前園 実知雄  奈良県立櫃原考古学研究所, 資料室長 (00250358)
都出 比呂志  大阪大学, 文学部, 教授 (90025065)
研究期間 (年度) 1995
研究課題ステータス 完了 (1995年度)
配分額 *注記
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
キーワード中国新石器時代 / 仰韶文化 / 農耕社会 / 遊牧騎馬民族文化 / 内蒙古長城地帯 / 農牧交錯地帯 / 岱海 / 考古学的研究
研究概要

1.研究の目的
本研究課題において我々が目的としたところは,中国内蒙古自治区涼城県にある湖,“岱海"周辺の中日共同考古学的総合調査である。この地は内蒙古の長城以北において,農耕文明が初めて行われた点で極めて興味をそそる。そしてまた,青銅器時代には一転して遊牧騎馬民族の領域となり,匈奴墓地が多数営まれている。中国側でも,このような地域を“農牧交錯地帯"と呼んで,深い関係を示している。この地域におけるこのような劇的な変化は一体何に起因するのかを解明することこそ,本研究の目的なのである。
2.研究内容
1)考古学的研究資料の収集と整備
そのため,岱海周辺の遺跡に関する考古学的資料を収集し(消耗品費・その他費を充当),写真アルバム等に整備した(謝金・その他費を充当)。また,そのための必要機材として,ノートパソコン.中型カメラを整備した(その他費を充当)。
2)考古学的比較研究
他地域からの波及によって農耕文化が開始された点では,“岱海"周辺と我が国とは共通している。その点を比較考古学的観点から検討を行った(旅費・その他費を充当)。
3)調査計画の策定
本調査の3か年で一定の成果をあげるため,発掘地点の選定や,既往の調査の検討が必要である。われわれは収集した考古学的資料をもとに,次の調査計画を策定した。
(初年度)既往の試掘調査を完結させ,有効な調査内容とするため,“岱海"東岸の王墓山・上遺跡の発掘調査。
(二年度)この地域における初期農耕の様相を明らかにするため,王墓山の北に連なる石虎山遺跡の発掘調査。
(三年度)遊牧騎馬民族文化の様相を探究するため,匈奴墓の発掘調査を行う。また,既往の調査において不足のところの補充調査も併せて行う。
4)調査成果の公表
各年度の調査内容は,次年度内に一応の取りまとめを行い,先ず中国文にて概要報告を『考古学集刊』誌上に発表することを目標とする。それ以後は日中双方自由にその資料を使用して研究を行うことが可能となる。
5)自然科学的研究
当該地域における自然科学的研究は,地質学的研究,植物学的研究,古生物学的研究など多方面の研究成果が期待されるが,基本的には中国側において研究体制の整っている分野については,中国側の研究に待つこととする。そのため,我が国において入手の困難な研究資料の複製を作成し,共同研究者に配布することとした(印刷費を充当)。
3.研究実績
国際学術研究の事前準備としての本研究は,当然,本調査のための諸準備を整えることに研究の重点がある。従って,本研究のみで終わるのではなく,本調査がいかに研究成果を得られるか,にかかっているといって過言ではない。勿論,本研究によって整備された考古学的研究資料や諸機材は本調査の運営に大きく寄与するものであるし,研究分担者との共同討議によって得られた比較考古学的研究視点は,本調査の研究内容に深く関わるものとして,貴重な研究実績となった。
ただ,研究を進める上で,考古学的にも自然科学的にも,具体的な資料の未入手の状況では,若干の困難さがあったのは否めないところである.従って,考古学・自然科学的研究ともに,中国側の研究の状況を把握し,分析することに主眼をおかざるを得なかったが,その結果,この地域の特殊性が中国側にも深い興味を抱かれ,“農牧交錯地帯"として各種の自然科学的研究の対象地域となっていることが理解できた。また,中国側の好意により入手した貴重な文献を,我々の研究資料とすることができたのは幸いである。それらの新資料の分析から,我々は調査研究上の新た調査方法や調査技術を開発し,実施してゆくことを検討したい。
国際共同研究において,共同調査の研究成果を,いかに公表してゆくかは,その公表の経費と共に大きな課題である。その点について,中国側との基本的な合意が出来たことは,本研究の成果実績の一つとして良いものであろう。各年度における調査計画の策定作業と併せ,本調査の順調な運営を約束するものである。かくて本調査のための諸準備は,大方整ったといえよう。本調査の研究課題は非常に大きく,また困難である。本研究によって培われた研究実績を十二分に活用しながら,本調査を実りあるものにしたいと願っている。

報告書

(1件)
  • 1995 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 秋山進午: "内蒙古文物考古研究所との国際共同研究" 日本中国考古学会会報. 第5号. 118-118 (1995)

    • 関連する報告書
      1995 実績報告書

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公開日: 1995-04-01   更新日: 2016-04-21  

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