研究課題/領域番号 |
07358012
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研究種目 |
総合研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能生物化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
淀井 淳司 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80108993)
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研究分担者 |
井上 正康 大阪市立大学, 医学部, 教授 (80040278)
矢原 一郎 (財)東京都臨床医学総合研究所, 副所長 (60109957)
奥村 康 順天堂大学, 医学部, 教授 (50009700)
新井 賢一 東京大学, 医科学研究所, 教授 (00012782)
寺田 雅昭 国立がんセンター研究所, 所長 (10124421)
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研究期間 (年度) |
1995
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1995年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | レドックス / ADF / チオレドキシン / 酸化ストレス / 細胞死 / 発癌 / 情報伝達 / レトロウイルス疾患 |
研究概要 |
生命の誕生と進化の歴史において、生体物質の酸化・還元反応の制御は、エネルギー代謝のみならず、細胞の生と死、細胞内諸器官の機能、細胞内および細胞間のシグナルないし情報伝達などに深く関係した基礎的制御機構である。酸化還元の関与する化学反応を包括的に意味するレドックス【REDOX ; reduction and oxidation】という概念を共通項にした新領域を設定し、レドックスをめぐる多様な生命現象の基礎を統一的に解明し、関連諸分野の研究促進とその応用の可能性を探ることが、生物の科学一般で切実に求められている。放射性化学物質の処理問題、オゾンホールに象徴される排気ガス・フロンガスなどによる地球環境の破壊は、まさしく地球上の生物・生命を産みだし、かつ原初のストレスでもあった酸化ストレス(de Duveの仮説)による侵襲である。そのため、酸化ストレスの生物作用のレドックス制御によるコントロールは、次世紀のグローバルな問題となっている。また成人T細胞白血病・エイズなどのウイルス感染症や循環器・免疫・神経系疾患の成因におけるレドックス制御異常と酸化ストレスの問題も認識され、生命科学諸領域で世界的にレドックスのバイオロジーに対する関心が高まっている。 本総合研究によって、レドックスの情報伝達・病態制御に関する先進的な研究について、おのおのの研究分担者の間で横断的交流、研究促進を十分に行うことができた。その結果、平成7年9月には、全体会議を開催し、それぞれの研究成果の発表と活発な討論を行い、この分野における現在の問題点と今後の展望について討議した。また年度末にあたっては、この討議と成果とふまえて、1)レドックス制御の標的となる遺伝子群 2)細胞死のレドックス制御 3)レドックスによる疾患発症機構・病態との関連という3つの領域にわたって研究報告書を作成し、関係施設に配布して情報の交換を図った。これまでは生化学、分子生物学、細胞生物学、免疫学、臨床医学などの分野でそれぞれ独自に行ってきたレドックスの情報伝達・病態制御に関する研究を、本総合研究によって総括し得たことは大変意義深く、今後本研究を重点領域として発展させるための組織化と企画調査が十分に達成された。
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