研究課題/領域番号 |
07404014
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅰ(光物性・半導体・誘電体)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 正 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60004503)
|
研究分担者 |
枝松 圭一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10193997)
萱沼 洋輔 大阪府立大学, 工学部, 教授 (80124569)
鈴木 吉朗 東北大学, 工学部, 講師 (80133932)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1997
|
研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
|
配分額 *注記 |
36,800千円 (直接経費: 36,800千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 14,000千円 (直接経費: 14,000千円)
1995年度: 20,400千円 (直接経費: 20,400千円)
|
キーワード | 半導体超微粒子 / 量子サイズ効果 / 量子ドット / 顕微分光 / 超高速分光 / 励起子光物性 / コヒーレント現象 / 非線形光学効果 / 超高速レーザー分光 / 粒子間相互作用 / イオンビームスパッター |
研究概要 |
本研究では、半導体超微粒子の閉じ込め励起子の内部構造を含めて考察するとともに、一微粒子中の複数個の励起子間に働く相互作用の特徴を明らかにし、それらを基礎に、高密度担持された微粒子間の相互作用による励起子コヒーレント協力現象に実験・理論の両面から迫ることを目的としている。 1.イオンビームスパッター法を用いてCdSe微粒子の高密度担持、CdSe、ZnSe、ZnO超薄膜作成を行ない、X線回折、AFM表面構造観測から結晶性を、光学測定により結晶欠陥の逓減について情報を得た。2.閉じ込め励起子状態の分光学的研究(1)2光子励起ピコ秒時間分解測光を行い、CuCl超微粒子発光の共鳴散乱とルミネッセンスの強度比のサイズ依存性から量子閉じ込め系に特徴的なノンマルコフ過程の存在の可能性を示した。(2)CuCl、ZnCdSe量子ドットについて顕微単一微粒子分光を行ない、励起子発光の尖鋭化、明滅現象、光疲労現象の観測に成功した。また、閉じ込め励起子の発光励起スペクトルの微細構造から閉じ込め第2励起状態位置が予想とは大幅に異なることを発見し、縦波励起類似の効果がP状態に現れる可能性を示した。(3)ポリマー中の高密度担持CuCl超微粒子の励起子発光の紫外レーザー光照射効果に現れる特異な発光強度増大現象がポーラスシリコンの場合と類似することと、光イオン化、光誘起表面構造変化との関連を示した。(4)赤外過渡吸収分光によりCuCl微粒子のリュードベリ系列1S→P励起子状態間遷移エネルギーの微粒子サイズ依存性を調べ、2P励起子状態が励起子閉じ込めモデルからサイズの減少とともに外れることを明らかにした。一方、閉じ込め励起子全角運動量S→P状態間遷移のスペクトルの計算を行い、実験と半定量的に一致すること、CuCl超結晶中の励起子の励起子内部運動の広がりが初めて直接的に観測されることを示した。3.異常の研究により閉じ込め励起子状態に関する新たな展開が実験理論の両面でもたらされた。微粒子高密度担持の実現により、半導体超微粒子間相互作用による励起子のコヒーレント協力現象の研究の発展が期待できる。
|