研究課題/領域番号 |
07404018
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
天谷 喜一 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (80029503)
|
研究分担者 |
宮城 宏 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (10029473)
石塚 守 大阪大学, 極限科学研究センター, 助手 (30184542)
小林 達生 大阪大学, 極限科学研究センター, 助教授 (80205468)
遠藤 将一 大阪大学, 極限科学研究センター, 教授 (10001843)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
29,600千円 (直接経費: 29,600千円)
1998年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1997年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
1996年度: 8,200千円 (直接経費: 8,200千円)
1995年度: 14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
|
キーワード | 超高圧 / 固体水素 / 金属化 / 電気抵抗 |
研究概要 |
Mbar(メガバール,百万気圧)を超える超高圧下では低圧下で絶縁体である固体水素も電気伝導性を示すと期待される。我々はこの金属化を従来の間接的な光学的測定ではなく、より直接的な電気抵抗測定により験証することを目的に研究を行ってきた。まずMbar域超高圧発生とその下での電気的磁気的測定技術の開発を行った。具体的には超高圧発生用DAC(ダイヤモンドアンビル)の開発及び直径30μmのダイヤモンド圧力発生面上で電気抵抗測定用5μm幅の極微細電極を作成、1辺約10μm立方の固体水素試料の抵抗測定の準備が整った。圧力値も最高値2.25Mbarを達成、その圧力下での電気抵抗測定としては世界最高記録を打ち立てた。 次いで、上記技術的成果を背景に、アルカリ土類金属CaをはじめとしてVIb族元素であるイオウ(S)や酸素(O_2)、更にはイオン結晶(CsI)、有機分子結晶(C_6I_4O_2)等、次々と圧力誘起による金属化に次ぐ低温下超伝導性の発見を行って来た。これらの研究遂行上の過程で、水素の金属化圧も当初の予想の1.5Mbarから2.5Mbarと修正され、現在では3.4Mbarの超高圧下でも尚、光学的に透明であり、電気的にも絶縁的であると報告されるに至っている。又、我々の理論グループ(宮城ら)の研究においても水素の分子解離が量子効果を取り込んだ結果でも4Mbarを超えると評価されるに至って我々の研究計画も大幅に修正を受け、今後さらなる超高圧発生が必須となった。しかし、現在、金属水素は、現在の我々の到達可能な圧力域である2Mbarから3Mbarの間でも1000℃〜1500℃の高温下では実現可能であると期待している。その目的に向けて現在水素の圧力封じを開始し、加圧を始めた。結果は封じ込めそのものには成功しているが、試料周辺の金属への拡散等により、試料穴の水素を安定に封じ込めることには未だ成功してはいない。上述のように金属水素験証には幾つかの困難があるものの、実験的技術は日々、進歩しつつあり近い将来において解決されると期待され、その期待がまさに本成果から得られたと信じている。
|