配分額 *注記 |
39,800千円 (直接経費: 39,800千円)
1998年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
1997年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1996年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
1995年度: 29,500千円 (直接経費: 29,500千円)
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研究概要 |
本研究の目的は,島弧形成過程の最早期を表わす小笠原諸島と成熟した島弧である日本列島の岩石を比較検討し,海洋地殻から如何にして組成の異なる大陸地殻が形成されたかを知ることにある. 1. 小笠原諸島父島の三日月山火山岩類についてまとめた.三日月山火山岩類は,父島の大部分を占めるボニナイト系列岩より,Rb・Kを除くインコンパチブル元素に富み,後者の起源マントルより枯渇度の低い起源物質から低含水下の条件で生じた,と推論した. 2. 琉球列島久米島からMgO 16.5%に達するビクライト玄武岩を発見した.ビクライトは鮮新世宇江城岳層の最下部を占める.カンラン石のFoの最高は92.2,クロムスピネルのCr2O3の最高は56.5%と高く,スピネルのFe2O3は比較的低い.これから初生ビクライトマグマのMgOは少なくとも13%以上あったと推定され,このような高温マグマの深部からの上昇により沖縄トラフの活動が始まった可能性を指摘した.また,久米島東に隣接する奥武島の高マグネシア安山岩は,Srが高く,日本で初めてのバハアイトであることを明らかにした. 3. 佐賀県中部,鬼の鼻山周辺のサヌカイトの化学及び鉱物組成を明らかにした.本地域のサヌカイトはNbが高く,北西九州の高Nb古銅輝石安山岩の最東端を占める.その古銅輝石のMg#とCr2O3の最高は84.7と0.58%で,高マグネシア安山岩マグマからの分化物と考えられる. 4. ミクロネシア,パラオ諸島火山岩の予備調査を行った.戦後初めてバベルダオブ島内陸部から試料を採取することができた.バラオ火山岩は全体として,母島火山岩に類似することを明らかにした.また,最下部バベルダオブ火山岩類中にやや分化した高マグネシア安山岩を発見した.
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