配分額 *注記 |
31,700千円 (直接経費: 31,700千円)
1998年度: 3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
1997年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1996年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
1995年度: 24,200千円 (直接経費: 24,200千円)
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研究概要 |
(1) 高温高圧実験による噴出物の岩石組織の再現,噴火マグマの諸条件の推定 雲仙岳1991-1995年デイサイト中の石基角閃石の安定性を実験的に決定し約60-100 MPa以上の圧力が必要であることを示した.これは深さ約3km以深に相当する。角閃石中の塩素含有量は斑晶角閃石のそれの1/3程度であり,塩素が流体相に選択的に濃集することを考えると,石基晶出前の脱水が2%程度必要であり,元々のマグマの含水量は6%以上となる. 富士火山1707年噴出玄武岩について約190 MPaでのリキダス付近での斜長石組成の含水量依存性を決定した.その関係はAn=6(H2Owt%)+67(%)で表わされる.天然の斜長石はそのMgO量-An関係からみていづれも同じ程度に分化したマグマから晶出したと考えられ,そのAn量はマグマの含水量の変動を記録していると考えられ,斑晶斜長石の累帯構造から1707年噴火および864年噴火のマグマ脱ガス/マグマ混合/噴火過程を解明した. (2) 天然噴出物組織の解析による噴火機構の解析 雲仙岳1991-1995年噴出物中の斑晶斜長石および角閃石の累帯構造の解析をおこない,斑晶リムでのマグマ混合過程と噴火のきっかけ,および斑晶コアに記録されるマグマの脱ガス/揮発性成分の添加過程をよみとられた.リムに記録されたマグマ混合過程/噴火開始はこれまでも多くの例があるが,コアの反復累帯構造の解析はマグマ溜まりでの揮発性成分の挙動について新しい視点を与える. (3) 噴火のモデル計算 雲仙岳1991年噴火についてHagen Poiseuille流としての予察的モデルを示した.深部ではマグマの含水量が多く粘性が小さいため流速が大きくなり,マグマは比較的短時間で上昇しうろことが示された.
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