配分額 *注記 |
38,500千円 (直接経費: 38,500千円)
1998年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
1997年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1996年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1995年度: 32,100千円 (直接経費: 32,100千円)
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研究概要 |
1980年代,西村は,Allendeなど始原隕石のmatrixの中で^<24>Mg同位体過剰を見出し,この過剰を含むmatrix部分は,^<24>Mg過剰を示さない部分に比べてMg/Si比が高く,forsterite的な鉱物である可能性が高いことを指摘した。しかし,この時点では,微細なmatrixの鉱物を同定するには至らなかった。 今回,改めて二次イオン質量分析計(SIMS)を用いて,Allende隕石中の比較的大きなinclusionのMg同位体比測定を行ない,2つの試料で,地球物質に比べて^<24>Mgの過剰を検出した。これら2つの試料を,SIMS分析後,再研磨および導電性炭素薄膜蒸着を行ない,EPMAによる鉱物同定を試みた。この際,EPMA用前処理によりSIMS分析点の痕跡が削られ,分析点そのもののEPMA分析は不可能であったが,inclusionについての得られた元素組成から,これらはそれぞれ,Fo_<95>およびFo_<85>のolivineであることが知られた。また,^<24>Mg同位体異常が観測されなかったinclusionについてのEPMA分析結果は,Fo_<98>のolivineとなり,olivineの中にも,^<24>Mg過剰を示すものとそうでないものが存在することが明らかとなった。 さらに,新たに新型イオン源を組み込んだ試料直接充填法表面電離型質量分析計(DLMS)を用いて,Allende隕石matrixから摘出した微細粒(重量約1mg)のMg同位体分析を行なった。その結果,1つの試料で,^<26>Alからの崩壊生成核種と思われる^<26>Mgの過剰が検出された。この試料については,同位体分析時に蒸発してしまっているため,その質量スペクトルから鉱物を推定する方法により鉱物同定を試み,輝石または角閃石のいずれかであることが判明したが,それ以上の鉱物に対する情報を得ることはできなかった。
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