研究課題/領域番号 |
07404044
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生態
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小池 勲夫 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30107453)
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研究分担者 |
小川 浩史 東京大学, 海洋研究所, 助手 (50260518)
木暮 一啓 (小暮 一啓) 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10161895)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1997
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研究課題ステータス |
完了 (1997年度)
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配分額 *注記 |
18,200千円 (直接経費: 18,200千円)
1997年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1996年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
1995年度: 11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
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キーワード | コロイド粒子 / 微生物食物連鎖 / 水圏生態系 / 溶存有機物 / 懸濁有機物 / 細菌群集 / 従属栄養鞭毛虫類 / 有機デトリタス / 従属鞭毛虫類 / 海洋生態系 / 海洋 / コロイド有機物 / 微小鞭毛虫類 / 海洋有機物 / 沿岸域 / コロイド有機粒子 / 細胞外加水分解酵素 / 植物プランクトン / 難分解性有機物 / 原生動物 |
研究概要 |
本研究は、海洋を中心とした水圏生態系においてコロイドサイズの非生物有機物粒子の動態が、植物プランクトン、細菌群集、原生動物群集などからなる食物連鎖とどのように共役してかを明らかにすることによって、有機物に焦点をあてた生元素循環の機構の解明の目指すものである。1990年に研究代表者等によって報告された、同じサイズクラスの生物粒子の代表的なものである細菌群集よりも1桁以上多い“Submicron particles"の存在は従来の溶存有機物と懸濁有機物をつなぐものとしてその動態が注目されたが、本研究以前には外洋での分布や、平均密度など物理的性状、あるいは原生動物による生成の可能性などが指摘されていたのみであった。この“Submicron particles"を中心とするコロイドサイズの非生物有機物の動態を総合的に解析することで以下の知見が得られた。1)外洋から沿岸にいたる測点や沿岸定点における年間の観測から、そのサイズ分布には大きな変動があり生物活性の高い氷塊では0.6-0.8micronサイズの非生物粒子の生成が卓越する事がわかり、またこの粒子はマリンスノーと同じようなアモロファスな性状を持っていることが示された。2)サブミクロンサイズの有機物の分画では、非生物有機物の炭素量が細菌などの生物粒子の炭素量を上回ることが明らかになり、これらの非生物有機物は数だけでなく量的にも重要であることがわかった。3)高感度蛍光基質による顕微鏡観察での計数に成功し、不定形の有機物の凝集物からなることが形態的にも確認された。4)主な生成過程として鞭毛虫類による細菌捕食が強く示唆され、さらに生成粒子がこれらの微生物活動によってさらに大型の凝集物に移行していく過程が示された。これらの知見は水圏生態系での溶存、コロイド、懸濁有機物の動態を食物連鎖との関係で統一的に理解するのに重要は手がかりを与えるものである。
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