研究分担者 |
高橋 庸哉 北海道教育大学, 教育実践センター, 助教授 (60236297)
古川 義純 北海道大学, 低温科学研究所, 助教授 (20113623)
遊馬 芳雄 北海道大学, 大学院・理学研究科, 講師 (10183732)
上田 博 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80184935)
佐藤 昇 北海道大学, 大阪府教育センター, 研究員 (70187219)
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研究概要 |
低温下で成長する氷晶,雪結晶の微物理・光学的特性が気候変動に及ぼす影響を実験的に明らかにするために,北海道大学低温科学研究所内の低温風洞室に高さ4.8m,幅1.2m,奥行き2.4mの大型垂直人工雲装置を構築した。装置上部に人工太陽灯を取り付け,厚さ4.3mの人工雲発生域を透過する太陽光の放射強度を,装置下部で測定すると同時に,2DC,2DP,ESSP,ALWCの測定器及びレプリカ法を用いて,人工雲の微物理量と透過率を測定した. 氷晶を発生させるタイミングから2種類に分け,それによって発生した人工雲を構成する粒子の有効直径をもとに,water cloud(water dropletsのみ),mixed cloud(water dropletsとice crystalsの共存),ice cloud(殆どがice crystalsのみ)の3種の状態に分類して解析を行った. その結果,角板からなる氷晶雲を上記の2種類の方法で発生させたところ,いずれの状態でも数濃度の増加に伴い,透過率が減少した.また,water,mixed,ice clouds別に時間毎の幾何学的断面積を求めたところ同じ断面積であっても透過率に差が認められた.またice cloudsでは,代表値として有効直径の最大値をとったところ,最大値の増加に伴い,同じ幾何学的断面積をとっても,透過率に差が見られる事がわかった. 透過率に差が認められた要因の一つとして有効直径が小さいほど,小さい角板の氷晶を多く含み,ランダムな姿勢で落下しやすいため幾何学的断面積を実際より過大評価しているためではないかと考えられる.現在のところ,実際は角板結晶のみであるが,今後は角柱結晶や樹枝状結晶などについても比較検討する予定である.
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