研究課題/領域番号 |
07405015
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研究種目 |
一般研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
桜井 利夫 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (20143539)
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研究分担者 |
高梨 弘毅 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (00187981)
XUE Qikun 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (90270826)
長谷川 幸雄 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (80252493)
藤森 啓安 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60005866)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1995年度)
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キーワード | アトムプローブ / 電界イオン顕微鏡 / 磁性薄膜 / ナノ微結晶 / 局所組成分析 / コバルト・クロム合金 |
研究概要 |
本年度には、スパッター法で作成される種々の磁性薄膜のナノ組織を解析し、そのナノスケールでの組成分析を行った。高い飽和磁化をもつ軟磁性材料としてFe-Ta-C,Fe-Zr-Bを、また磁気記録媒体として注目されているCoCr基合金薄膜(Co-Cr-Ta)、さらに最近単層薄膜で巨大磁気抵抗効果が見いだされて注目されているFe-Cr,またトンネル型金属・非金属分散合金薄膜の巨大磁気抵抗(Co-Al-O)等の合金薄膜のナノ組織解析を行なった。特に3次元型アトムプローブ法を用いることにより各構成元素の分布状態を3次元的に調べることが出来、これまで測定の困難であった粒界析出なども明確に示すことが出来た。 例えば、記録媒体用CoCr基合金薄膜においてはCr濃度の不均一性の存在状態が長年にわたって問題になっているが、CoCrの場合に比べTaを導入した場合にはCrの粒界析出が引き起こされていることが判明した。これはTaの添加によりCoCr系での相分離濃度が変化してスピノ-ダル分解から核生成へ相分離のモードが変化したこと、およびTaの導入により格子感覚が押し広げられCrの拡散が促進されたことに因るものと推測されている。 またFe-Zr-B系の研究に於いては、α-Fe相の微結晶化過程におけるZr、Bの役割を調べることができ、例えば、α-Fe相の結晶化過程に於いて排斥されるZrが微結晶の周囲に偏析して、それが障壁となって結晶の肥大化が押さえられていることなどが、その濃度分布を直接測定することにより、明らかにすることができた。
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