研究課題/領域番号 |
07405022
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
土木材料・力学一般
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
魚本 健人 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80114396)
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研究分担者 |
加藤 佳孝 東京大学, 生産技術研究所・第5部, 助手 (80272516)
大賀 宏行 東京都立大学, 工学部, 助教授 (40152061)
安井 至 東京大学, 生産技術研究所・第4部, 教授 (20011207)
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研究期間 (年度) |
1995 – 1996
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研究課題ステータス |
完了 (1996年度)
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配分額 *注記 |
28,400千円 (直接経費: 28,400千円)
1996年度: 15,500千円 (直接経費: 15,500千円)
1995年度: 12,900千円 (直接経費: 12,900千円)
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キーワード | FRP / 耐久性 / アルカリ劣化 / 紫外線劣化 / 疲労 / クリープ / 暴露 / 疲労特性 / 引張強度 |
研究概要 |
本研究は、コンクリート用補強材として利用されつつある一方向強化FRP緊張材の耐久性を明らかにすることを目的として実施した研究であり、3種類のFRPはそれぞれ異なった特性を有し、次のようなことが明らかとなった。 (1)一方向強化FRPは、疲労荷重を受けると鋼材と同様に疲労破壊する。CFRPの場合には、応力振幅を増大させても急激な変化は認められず鋼材以上の疲労体力を有している。しかし、AFRPの場合には応力振幅300N/mm2以上となると疲労破壊するまでの載荷回数が減少する。GFRPの場合には応力振幅が大きくなるほど急激に疲労破壊しやすくなり、200万回疲労は静的強度の20%程度となることが明らかとなった。 (2)FRPに長時間持続荷重をかけると、クリープ破壊する場合がある。特に顕著なのはAFRPおよびGFRPであり、載荷荷重が大きい場合には、部分的な破壊が順次進行して最終的な破壊に至ることが明らかとなった。 (3)海洋環境および内陸部の自然環境に暴露したFRPは、暴露しなかったものよりも低い強度となる。この原因の1つとして考えられるものに紫外線が考えられる。 (4)紫外線による劣化は、AFRPロッドの場合にはロッドそのものの強度低下を生じることが明らかとなった。これはアラミド繊維そのものが劣化して強度低下を生じるためであることが明らかとなった。 (5)コンクリート用補強材として利用する場合、コンクリート中にFRPロッドが埋め込まれる事が想定される。この場合に問題となるのは、セメントから供給されるアルカリである。促進試験等から、GFRPの場合には著しい強度低下が認められた。その原因はガラス繊維がアルカリによって浸食され強度を失うことであるためである。これを防止するために耐アルカリガラスを用いても基本的な劣化性状は変化しないため、抜本的な対策を考案することが必要であることが明らかとなった。
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