研究課題/領域番号 |
07405038
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
工業分析化学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
高木 誠 九州大学, 工学部, 教授 (90037739)
|
研究分担者 |
藤原 勇 山口大学, 理学部, 助手 (40190087)
宮島 徹 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40128103)
前田 瑞夫 九州大学, 工学部, 教授 (10165657)
|
研究期間 (年度) |
1995 – 1998
|
研究課題ステータス |
完了 (1998年度)
|
配分額 *注記 |
20,400千円 (直接経費: 20,400千円)
1998年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1997年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1996年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
1995年度: 9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
|
キーワード | 鋳型重合 / ラテックス / 分子認識 / 表面構造 / 分子刷り込み / 高分子電解質 / 金属イオン |
研究概要 |
近年、分子認識を中心にして人工のホスト分子を積極的に設計・合成していく分野が急速に拡大している。我々の開発した新しい分子刷り込み法は、ラテックス粒子の表面一層に分子鋳型をつくる手法である。 まず乳化条件と重合後のラテックス粒子の表面構造を系統的に関係づけるために、重合時に鋳型分子を加えない系においての基礎的検討を行った。樹脂のプロトン滴定の結果から、予想通りのpKaのブロード化が明確に確認された。これは官能基どうしが強く相互作用していることを示唆し、官能基が2次元的に存在する証拠の一つである。 次に鋳型分子として電荷を持つ有機化合物であるアミノ酸誘導体を選び、実際に鋳型樹脂を合成した。L-Phe鋳型樹脂および非鋳型樹脂のL-Phe吸着能を比較した結果、鋳型樹脂はL-Pheに対して高い吸着能を有することが示された。このことより、鋳型樹脂の表面にはL-Pheを特異的に認識するサイトが存在することが示された。 これまで、機能性界面活性剤としてオレイン酸を用いてラテックスを合成してきたが、重合中あるいは吸着挙動検討中に樹脂から脱離してしまう可能性があった。そこで確実に重合するビニル基を側鎖に有する機能性界面活性剤をデザインし、界面鋳型樹脂を合成した。しかし、これまでのオレイン酸を用いた樹脂とは明らかに異なる形態・性状をもつ樹脂ができた。界面活性剤がエマルション中で重合することによって、どのようなことが起こっているのかは不明だが、興味深い現象である。 また分子刷り込み効果の新しい評価法として、膜電極型イオンセンサへの応用を試みた。機能性モノマーと有機カチオンとで塩を形成し、架橋剤とともに膜にしみ込ませ重合し、分子刷り込み膜を作った。このイオン感応膜は完全なネルンスト応答はしなかったものの、鋳型分子に対して効果的に応答した。
|